大鷲おおとり)” の例文
大鷲おおとり神社の傍の田甫の白鷺しらさぎが、一羽ち二羽起ち三羽立つと、明日のとりまちの売場に新らしく掛けた小屋から二三にんの人が現われた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
……一足「大鷲おおとり神社」の境内へ入ると一しょに、辛うじてわたしたちは、それまでの凡常な「縁日」意識からすくわれた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
浅草の観音様や大鷲おおとり神社の賑いもこれには及ばなかったものである。琴平神社の縁日は毎月の十日であった。
それから一帯吉原田圃で、この方に太郎稲荷(この社は筑後ちくご柳川やながわ立花たちばな家の下屋敷内にある)の藪が見え、西は入谷田圃に続いて大鷲おおとり神社が見え、大音寺前だいおんじまえの方へ、吉原堤に聯絡れんらくする。
目の前にある熊手の行列は非常に大きくかいてあつて、大鷲おおとり神社は遥かの向ふに小さくかいてある、よろいの渡しの渡し舟は非常に大きくかいてあつて、向ふの方に蔵が小さくかいてある。
病牀六尺 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
御承知の通り大鷲おおとり神社の境内は狭いので、皆無理をして店を拵える。