鳳凰おおとり)” の例文
獅子面の胸当むねあてに、鍍金鋼ときんはがねのかぶとをいただき、背には五本の飛閃刀なげがたなをはさみ、またその手には長鎗をかいこんだ。そして怒れる鳳凰おおとりのごとく、独龍岡どくりゅうこうへむかって馳け出した。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おんかずらに高々と、飛ぶ鳳凰おおとり、九ツの龍、七いろの珠などちりばめた金冠を載せ、天然無双の眉目みめのおんほほ笑みを、まばゆいばかりに、こぼしておられる。——その雪のおんはだ美妙みみょうかおり。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼の華やかな紫の狩衣かりぎぬ紅錦こうきん陣半被じんはっぴえいに飾られたかんむりといえど、蒼白なその憂いにみちたおもてには、すべて、悲調を強めるものでしかなく、珠を失った龍か、瑞雲ずいうんを奪われて荒地こうちに怒る鳳凰おおとりにも似て
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鳳凰おおとりは、千里をけても
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)