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筈
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はづ
ふりがな文庫
“
筈
(
はづ
)” の例文
忘
(
わす
)
れてゐることはないかと
考
(
かんが
)
へて見るが、萬事手
筈
(
はづ
)
は
整
(
とゝの
)
つてゐる。そこで金太郎は、二時間といふ
僅
(
わづ
)
かな時間をもてあましてしまふ。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
家
(
うち
)
へ帰つて、
一日
(
いちにち
)
部屋に這入つたなり考へ込んでゐた。
嫂
(
あによめ
)
を連れて音楽会へ行く
筈
(
はづ
)
の所を断わつて、大いに
嫂
(
あによめ
)
に気を揉ました位である。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『いや、いや、
如何
(
どう
)
考
(
かんが
)
へても
今時分
(
いまじぶん
)
あんな
船
(
ふね
)
に
此
(
この
)
航路
(
かうろ
)
で
追越
(
おひこ
)
される
筈
(
はづ
)
はないのだ。』と
見
(
み
)
る/\
内
(
うち
)
に
不安
(
ふあん
)
の
顏色
(
いろ
)
が
現
(
あら
)
はれて
來
(
き
)
た。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
なされて
下
(
くだ
)
さる
筈
(
はづ
)
もなし
別
(
べつ
)
ものに
遊
(
あそ
)
ばすと
知
(
し
)
りながらお
恨
(
うら
)
みも申されぬ
身
(
み
)
の
不束
(
ふつゝか
)
が
恨
(
うら
)
めしう
存
(
ぞん
)
じますとホロリとこぼす
膝
(
ひざ
)
の
露
(
つゆ
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『
若
(
も
)
しも
汝
(
なんぢ
)
がそれに
署名
(
しよめい
)
しなかつたとすれば』と
云
(
い
)
つて
王樣
(
わうさま
)
は、『
尚々
(
なほ/\
)
惡
(
わる
)
い、
汝
(
なんぢ
)
の
惡戯
(
いたづら
)
に
相違
(
さうゐ
)
ない、さもなければ
正直
(
しようぢき
)
に
署名
(
しよめい
)
して
置
(
お
)
くべき
筈
(
はづ
)
だ』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
▼ もっと見る
一寸
(
ちよいと
)
躓
(
つまづ
)
いても
怪我
(
けが
)
をするのに、
方角
(
はうがく
)
の
知
(
し
)
れない
山
(
やま
)
の
中
(
なか
)
で、
掻消
(
かきけ
)
すやうに
隠
(
かく
)
れたものが
無事
(
ぶじ
)
で
居
(
ゐ
)
やう
筈
(
はづ
)
はないではないか。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ラランはいつものやうに、カラカラと
笑
(
わら
)
つた。五千メートル。いつもならこの
辺
(
へん
)
へ
来
(
く
)
るまでに
疲
(
つか
)
れて
墜
(
を
)
ちてしまう
筈
(
はづ
)
なのに、
今度
(
こんど
)
は
莫迦
(
ばか
)
に
調子
(
てうし
)
がいい。
火を喰つた鴉
(新字旧仮名)
/
逸見猶吉
(著)
夫
(
それ
)
では
聴
(
きこ
)
えないから
解
(
わか
)
らない
筈
(
はづ
)
です、
夫
(
それ
)
から
又
(
また
)
蓄音器
(
ちくおんき
)
といふものが始めて
舶来
(
はくらい
)
になりました時は、
吾人共
(
われひととも
)
に
西洋人
(
せいやうじん
)
の
機械学
(
きかいがく
)
の
長
(
た
)
けたる事には
驚
(
おどろ
)
きました。
世辞屋
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
年齡
(
ねんれい
)
も十六七
以上
(
いじやう
)
、一
通
(
とほ
)
り
學問
(
がくもん
)
をして
其
(
そ
)
の
學問
(
がくもん
)
を
家政
(
かせい
)
なり、
何
(
なに
)
なり
日常
(
にちじやう
)
處世
(
しよせい
)
の
上
(
うへ
)
に
應用
(
おうよう
)
がして
行
(
ゆ
)
ける
筈
(
はづ
)
でありますが、
實際
(
じつさい
)
に
就
(
つき
)
て
見
(
み
)
ますると
種々
(
しゆ/″\
)
遺憾
(
ゐかん
)
の
點
(
てん
)
があるやうです。
女教邇言
(旧字旧仮名)
/
津田梅子
(著)
『
全體
(
ぜんたい
)
杉村君
(
すぎむらくん
)
、
君
(
きみ
)
も
掘
(
ほ
)
る
筈
(
はづ
)
ぢやアなかツたのか』と
水谷氏
(
みづたにし
)
は一
矢
(
し
)
報
(
むく
)
ゐると、
杉村氏
(
すぎむらし
)
は
楚人冠
(
そじんくわん
)
一
流
(
りう
)
の
警句
(
けいく
)
で
受
(
う
)
けて『
出
(
で
)
るなら
掘
(
ほ
)
るが、
出
(
で
)
ないのに
掘
(
ほ
)
つたつて
詰
(
つま
)
らないよ』と
來
(
く
)
る。
探検実記 地中の秘密:20 大森貝塚の発掘
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
然
(
しか
)
るに
此一廻
(
このひとまはり
)
の
間
(
あひだ
)
、
丁度
(
ちやうど
)
三百六十五日ならば千年も万年も
同
(
おな
)
じ暦にて
差支
(
さしつかへ
)
なき
筈
(
はづ
)
なれども、六十五日の
上端
(
うわは
)
に六
時
(
とき
)
といふものありて
毎年
(
まいねん
)
六
時
(
とき
)
づ〻
後
(
おく
)
れ、四年
目
(
め
)
には四六二十四
時
(
とき
)
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
此類
(
このるゐ
)
の石器にして
果
(
はた
)
して
粉製
(
こつく
)
りの臺たらば、
是
(
これ
)
に
對
(
たい
)
する
粉潰
(
こつぶ
)
しの
道具
(
どうぐ
)
も有る可き
筈
(
はづ
)
なり。
事實
(
じじつ
)
如何
(
いかん
)
と云ふに日向和田に
於
(
おい
)
ては
實際
(
じつさい
)
石皿と伴ふて
是
(
これ
)
に
適合
(
てきがふ
)
する
橢圓石
(
だゑんせき
)
發見
(
はつけん
)
されしなり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
又
左
(
さ
)
うでなくつちや困るからね。小説だつて
同
(
おな
)
じ事だらう、ねえ君。矢っ張りモローや、シヤヷンヌの様なのもゐる
筈
(
はづ
)
だらうぢやないか
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
造船所
(
ざうせんじよ
)
内
(
ない
)
の
一部
(
いちぶ
)
に
貯藏
(
ちよぞう
)
されてあつたのだが、あゝ、
昨夜
(
さくや
)
の
大海嘯
(
おほつなみ
)
では
其
(
その
)
一個
(
いつこ
)
も
無事
(
ぶじ
)
では
居
(
を
)
るまい、イヤ、
决
(
けつ
)
して
無事
(
ぶじ
)
で
居
(
を
)
る
筈
(
はづ
)
はありません。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それは
勿論
(
もちろん
)
正氣
(
せうき
)
の
人
(
ひと
)
の
目
(
め
)
からは
氣
(
き
)
ちがひと
見
(
み
)
える
筈
(
はづ
)
、
自分
(
じぶん
)
ながら
少
(
すこ
)
し
狂
(
くる
)
つて
居
(
い
)
ると
思
(
おも
)
ふ
位
(
くらゐ
)
なれど、
氣
(
き
)
ちがひだとて
種
(
たね
)
なしに
間違
(
まちが
)
ふ
物
(
もの
)
でもなく
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
が、
助
(
たす
)
け
出
(
だ
)
す
筈
(
はづ
)
だつた
女房
(
にようばう
)
を
負
(
おぶ
)
つてなら……
麓
(
ふもと
)
の
温泉
(
をんせん
)
までは
愚
(
おろか
)
な
事
(
こと
)
、
百里
(
ひやくり
)
、
二百里
(
にひやくり
)
、
故郷
(
こきやう
)
までも、
東京
(
とうきやう
)
までも、
貴様
(
きさま
)
の
手
(
て
)
から
救
(
すく
)
ふためには、
飛
(
と
)
んでも
帰
(
かへ
)
るつもりで
居
(
ゐ
)
た。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
『
何
(
なん
)
と
此程
(
これほど
)
見事
(
みごと
)
な
物
(
もの
)
があらうぞや。それから
又
(
また
)
——「フイと
恁麽
(
こんな
)
氣
(
き
)
になつたのも——」そんな
氣
(
き
)
になる
筈
(
はづ
)
はないが、え、なつたのではなからうが?』と
女王樣
(
ぢよわうさま
)
は
申
(
まを
)
されました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
第
(
だい
)
一
番
(
ばん
)
には
大野氏
(
おほのし
)
が
入
(
い
)
る
筈
(
はづ
)
だからと
考
(
かんが
)
へながら、
猶
(
なほ
)
今
(
いま
)
一
度
(
ど
)
窟
(
いはや
)
の
底部
(
ていぶ
)
を
照
(
て
)
らして
見
(
み
)
やうとして、
龕燈
(
がんどう
)
を
持直
(
もちなほ
)
す
途端
(
とたん
)
に、
余
(
よ
)
の
足
(
あし
)
は
入口
(
いりくち
)
のくづれたる
岩面
(
いはづら
)
を
踏
(
ふ
)
んだので、ツル/\と
穴
(
あな
)
の
中
(
なか
)
へ
濘
(
すべ
)
り
落
(
お
)
ちた。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
併
(
しか
)
し
考
(
かんが
)
へて見ればそんなものがある
筈
(
はづ
)
はなかつた。
坂道
(旧字旧仮名)
/
新美南吉
(著)
「そんな事が、あらう
筈
(
はづ
)
がない。いくら、
変
(
かは
)
つたつて、そりや
唯
(
たゞ
)
年
(
とし
)
を
取
(
と
)
つた丈の変化だ。成るべく
帰
(
かへ
)
つて三千代さんに安慰を与へて
遣
(
や
)
れ」
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
我等
(
われら
)
兩人
(
りようにん
)
が
目指
(
めざ
)
すコロンボ
市
(
し
)
にも、また
櫻木海軍大佐等
(
さくらぎかいぐんたいさら
)
と
再會
(
さいくわい
)
すべき
筈
(
はづ
)
の
橄欖島
(
かんらんたう
)
にも
左迄
(
さま
)
では
遠
(
とほ
)
くない
印度洋
(
インドやう
)
中
(
ちう
)
であつた
事
(
こと
)
と。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
夫
(
それ
)
は
餘
(
あま
)
りのお
取
(
とり
)
こし
苦勞
(
ぐらう
)
岩木
(
いわき
)
の
中
(
なか
)
にも
思
(
おも
)
ひのなきかは
無情
(
つれな
)
き
仰
(
おほ
)
せの
有
(
あ
)
る
筈
(
はづ
)
なし
扨
(
さて
)
も
御戀人
(
おんこひゞと
)
は
杉原
(
すぎはら
)
さまとやお
名
(
な
)
は
何
(
なん
)
とぞ
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
『そんな
筈
(
はづ
)
は
無
(
な
)
い。そんな、お
前
(
まへ
)
、』と
躾
(
たしな
)
めるやうに
言
(
い
)
ひ/\
飛上
(
とびあが
)
つたのであつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
死刑執行者
(
しけいしつかうしや
)
の
論據
(
ろんきよ
)
は
斯
(
か
)
うでした、それから
斬
(
き
)
り
離
(
はな
)
さるべき
體
(
からだ
)
がなければ、
頭
(
あたま
)
を
切
(
き
)
ることは
出來
(
でき
)
ない、
甞
(
かつ
)
てそんな
事
(
こと
)
をしたこともなければ、これから
後
(
さき
)
とても一
生涯
(
しやうがい
)
そんな
事
(
こと
)
の
有
(
あ
)
らう
筈
(
はづ
)
がない。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
「
急
(
いそ
)
ぐつて先月
中
(
ぢう
)
に越す
筈
(
はづ
)
の所を
明後日
(
あさつて
)
の天長節迄待たしたんだから、どうしたつて
明日中
(
あしたぢう
)
に
探
(
さが
)
さなければならない。どこか心当りはないか」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
左樣
(
さやう
)
ならばと
挨拶
(
あいさつ
)
すれば
録之助
(
ろくのすけ
)
は
紙
(
かみ
)
づゝみを
頂
(
いたゞ
)
いて、お
辭儀
(
じぎ
)
申
(
まを
)
す
筈
(
はづ
)
なれど
貴孃
(
あなた
)
のお
手
(
で
)
より
下
(
くだ
)
されたのなれば、あり
難
(
がた
)
く
頂戴
(
ちようだい
)
して
思
(
おも
)
ひ
出
(
で
)
にしまする
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
骨
(
ほね
)
が
折
(
を
)
れるからとて
夫
(
そ
)
れ
丈
(
だけ
)
の
運
(
うん
)
のある
身
(
み
)
ならば
堪
(
た
)
へられぬ
事
(
こと
)
は
無
(
な
)
い
筈
(
はづ
)
、
女
(
をんな
)
などゝ
言
(
い
)
ふ
者
(
もの
)
は
何
(
ど
)
うも
愚痴
(
ぐち
)
で、お
袋
(
ふくろ
)
などが
詰
(
つま
)
らぬ
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ひ
出
(
だ
)
すから
困
(
こま
)
り
切
(
き
)
る
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
「なに
善意
(
ぜんゐ
)
に
払
(
はら
)
はないのは、文芸協会の方でも
八釜敷
(
やかましく
)
は云はない
筈
(
はづ
)
だ。
何
(
ど
)
うせ
幾何
(
いくら
)
切符が売れたつて、とゞの
詰
(
つま
)
りは協会の借金になる事は
明
(
あき
)
らかだから」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其樣
(
そのやう
)
なつまらぬ
事
(
こと
)
の
有
(
あ
)
る
筈
(
はづ
)
は
無
(
な
)
い、お
前
(
まへ
)
の
思
(
おも
)
ふて
呉
(
く
)
れるほど
世間
(
せけん
)
は
我
(
わ
)
しを
思
(
おも
)
ふて
呉
(
く
)
れぬから、まあ
安心
(
あんしん
)
して
居
(
い
)
るが
宜
(
よ
)
いと
子細
(
わけ
)
も
無
(
な
)
い
事
(
こと
)
に
言
(
い
)
ひ
捨
(
す
)
つれば
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
所が
親爺
(
おやぢ
)
の腹のなかでは、それが全く
反対
(
あべこべ
)
に解釈されて仕舞つた。
何
(
なに
)
をしやうと
血肉
(
けつにく
)
の
親子
(
おやこ
)
である。子が
親
(
おや
)
に対する天賦の情
合
(
あひ
)
が、子を取扱ふ方法の如何に因つて変る
筈
(
はづ
)
がない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これは
何
(
ど
)
うもならぬ
其
(
その
)
やうに
茶利
(
ちやり
)
ばかり
言
(
い
)
はで
少
(
すこ
)
し
眞實
(
しん
)
の
處
(
ところ
)
を
聞
(
き
)
かしてくれ、いかに
朝夕
(
てうせき
)
を
嘘
(
うそ
)
の
中
(
なか
)
に
送
(
おく
)
るからとてちつとは
誠
(
まこと
)
も
交
(
まじ
)
る
筈
(
はづ
)
、
良人
(
おつと
)
はあつたか
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
骨が折れるからとてそれだけの運のある身ならば堪へられぬ事は無い
筈
(
はづ
)
、女などと言ふ者はどうも愚痴で、お袋などがつまらぬ事を言ひ出すから困り切る
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
これはどうもならぬそのやうに
茶利
(
ちやり
)
ばかり言はで少し
真実
(
しん
)
の処を聞かしてくれ、いかに
朝夕
(
てうせき
)
を嘘の中に送るからとてちつとは誠も交る
筈
(
はづ
)
、
良人
(
おつと
)
はあつたか
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
可愛想
(
かわいそう
)
なことをと
少
(
すこ
)
し
涙
(
なみだ
)
くんでお
作
(
さく
)
をかばふに、それは
貴孃
(
あなた
)
が
當人
(
たうにん
)
を
見
(
み
)
ぬゆゑ
可愛想
(
かわいさう
)
とも
思
(
おも
)
ふか
知
(
し
)
らねど、お
作
(
さく
)
よりは
我
(
わ
)
れの
方
(
ほう
)
を
憐
(
あは
)
れんでくれて
宜
(
い
)
い
筈
(
はづ
)
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
蒲團
(
ふとん
)
やの
時代
(
じだい
)
から
左
(
さ
)
のみの
男
(
をとこ
)
と
思
(
おも
)
はなんだがあれこそは
死花
(
しにばな
)
、ゑらさうに
見
(
み
)
えたといふ、
何
(
なに
)
にしろ
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
は
大損
(
おほぞん
)
であらう、
彼
(
か
)
の
子
(
こ
)
には
結搆
(
けつこう
)
な
旦那
(
だんな
)
がついた
筈
(
はづ
)
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
れに
力
(
ちから
)
落
(
おと
)
させまじとて
八重
(
やへ
)
の
繕
(
つくろ
)
ひて
居
(
ゐ
)
るにはあらずや
否
(
い
)
や/\
八重
(
やへ
)
として
其樣
(
そのやう
)
のことある
筈
(
はづ
)
なし
人
(
ひと
)
を
五月雨
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
旦那
(
だんな
)
さま
笑
(
わら
)
つて、
餘
(
あま
)
り
心
(
こゝろ
)
を
遣
(
つか
)
ひ
過
(
す
)
ぎた
結果
(
けつくわ
)
であらう、
氣
(
き
)
さへ
落
(
おち
)
つければ
直
(
す
)
ぐ
癒
(
なほ
)
る
筈
(
はづ
)
と
仰
(
おつ
)
しやるに、
否
(
いな
)
それでも
私
(
わたし
)
は
言
(
い
)
ふに
言
(
い
)
はれぬ
淋
(
さび
)
しい
心地
(
こゝち
)
がするので
御座
(
ござ
)
ります
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
御同僚
(
ごどうりよう
)
の
奧樣
(
おくさま
)
がたの
樣
(
やう
)
にお
花
(
はな
)
のお
茶
(
ちや
)
の、
歌
(
うた
)
の
畫
(
ゑ
)
のと
習
(
なら
)
ひ
立
(
た
)
てた
事
(
こと
)
もなければ
其御話
(
そのおはな
)
しの
御
(
お
)
相手
(
あいて
)
は
出來
(
でき
)
ませぬけれど、
出來
(
でき
)
ずは
人知
(
ひとし
)
れず
習
(
なら
)
はせて
下
(
くだ
)
さつても
濟
(
す
)
むべき
筈
(
はづ
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勤
(
つと
)
め
大事
(
だいじ
)
に
骨
(
ほね
)
さへ
折
(
を
)
らば
御氣
(
おき
)
に
入
(
い
)
らぬ
事
(
こと
)
も
無
(
な
)
き
筈
(
はづ
)
と
定
(
さだ
)
めて、かゝる
鬼
(
おに
)
の
主
(
しゆう
)
をも
持
(
も
)
つぞかし、
目見
(
めみ
)
えの
濟
(
す
)
みて三日の
後
(
のち
)
、
七歳
(
なゝつ
)
になる
孃
(
じやう
)
さま
踊
(
おど
)
りのさらひに
午後
(
ごゞ
)
よりとある
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
勤め大事に骨さへ折らば御気に入らぬ事も無き
筈
(
はづ
)
と定めて、かかる鬼の
主
(
しゆう
)
をも持つぞかし、目見えの済みて三日の
後
(
のち
)
、
七歳
(
ななつ
)
になる嬢さま踊りのさらひに午後よりとある
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
石之助
(
いしのすけ
)
其夜
(
そのよ
)
はをとなしく、
新年
(
はる
)
は
明日
(
あす
)
よりの三ヶ
日
(
にち
)
なりとも、
我
(
わ
)
が
家
(
いへ
)
にて
祝
(
いは
)
ふべき
筈
(
はづ
)
ながら
御存
(
ごぞん
)
じの
締
(
しま
)
りなし、
堅
(
かた
)
くるしき
袴
(
はかま
)
づれに
挨拶
(
あいさつ
)
も
面倒
(
めんどう
)
、
意見
(
いけん
)
も
實
(
じつ
)
は
聞
(
きゝ
)
あきたり
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
お
峯
(
みね
)
が
引出
(
ひきだ
)
したるは
唯
(
たゞ
)
二
枚
(
まい
)
、
殘
(
のこ
)
りは十八あるべき
筈
(
はづ
)
を、いかにしけん
束
(
たば
)
のまゝ
見
(
み
)
えずとて
底
(
そこ
)
をかへして
振
(
ふる
)
へども
甲斐
(
かひ
)
なし、
怪
(
あや
)
しきは
落散
(
おちちり
)
し
紙切
(
かみき
)
れにいつ
認
(
したゝ
)
めしか
受
(
うけ
)
取
(
とり
)
一
通
(
つう
)
。
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何にしろ菊の井は大損であらう、かの子には
結搆
(
けつこう
)
な旦那がついた
筈
(
はづ
)
、取にがしては残念であらうと人の
愁
(
うれ
)
ひを
串談
(
じようだん
)
に思ふものもあり、諸説みだれて取止めたる事なけれど
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
正太は
何故
(
なに
)
とも得ぞ解きがたく、烟のうちにあるやうにてお前はどうしても変てこだよ、そんな事を言ふ
筈
(
はづ
)
は無いに、
可怪
(
をか
)
しい人だね、とこれはいささか
口惜
(
くちを
)
しき思ひに
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
正太
(
しようた
)
は
何故
(
なに
)
とも
得
(
ゑ
)
ぞ
解
(
と
)
きがたく、
畑
(
はた
)
のうちにあるやうにてお
前
(
まへ
)
は
何
(
ど
)
うしても
變
(
へん
)
てこだよ、
其樣
(
そん
)
な
事
(
こと
)
を
言
(
い
)
ふ
筈
(
はづ
)
は
無
(
な
)
いに、
可怪
(
をか
)
しい
人
(
ひと
)
だね、と
是
(
こ
)
れはいさゝか
口惜
(
くちを
)
しき
思
(
おも
)
ひに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
未
(
ま
)
だか未だかと正太は
門
(
かど
)
へ出つ入りつして、呼んで来い三五郎、お前はまだ大黒屋の寮へ行つた事があるまい、庭先から美登利さんと言へば聞える
筈
(
はづ
)
、早く、早くと言ふに
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
未
(
ま
)
だか
未
(
ま
)
だかと
正太
(
しようた
)
は
門
(
かど
)
へ
出
(
で
)
つ
入
(
い
)
りつして、
呼
(
よ
)
んで
來
(
こ
)
い三五
郎
(
らう
)
、お
前
(
まへ
)
はまだ
大黒屋
(
だいこくや
)
の
寮
(
りよう
)
へ
行
(
い
)
つた
事
(
こと
)
があるまい、
庭先
(
にはさき
)
から
美登利
(
みどり
)
さんと
言
(
い
)
へば
聞
(
きこ
)
える
筈
(
はづ
)
、
早
(
はや
)
く、
早
(
はや
)
くと
言
(
い
)
ふに
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
洒落氣
(
しやれげ
)
なしでは
居
(
い
)
られぬ
筈
(
はづ
)
、
勉強家
(
べんきようか
)
にしたは
其自狂
(
そのやけ
)
からかと
仰
(
おつ
)
しやるに、
中々
(
なか/\
)
もちまして
彼男
(
あれ
)
が
貴孃
(
あなた
)
自狂
(
やけ
)
など
起
(
おこ
)
すやうな
男
(
おとこ
)
で
御座
(
ござ
)
りましよか、
無常
(
むじやう
)
を
悟
(
さと
)
つたので
御座
(
ござ
)
りますと
言
(
い
)
ふに
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでもあなたは一家の御主人さまに成りて
采配
(
さいはい
)
をおとりなさらずは叶ふまじ、今までのやうなお楽の御身分ではいらつしやらぬ
筈
(
はづ
)
と押へられて、されば誠に大難に
逢
(
あ
)
ひたる身と
思
(
おぼ
)
しめせ。
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでもあなたは一
家
(
か
)
の
御主人
(
ごしゆじん
)
さまに
成
(
な
)
りて
釆配
(
さいはい
)
をおとりなさらずは
叶
(
かな
)
ふまじ、
今
(
いま
)
までのやうなお
樂
(
らく
)
の
御身分
(
ごみぶん
)
ではいらつしやらぬ
筈
(
はづ
)
と
押
(
おさ
)
へられて、されば
誠
(
まこと
)
に
大難
(
だいなん
)
に
逢
(
あ
)
ひたる
身
(
み
)
と
思
(
おぼ
)
しめせ。
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
筈
漢検準1級
部首:⽵
12画
“筈”を含む語句
手筈
其筈
角筈十二社
矢筈
角筈
矢筈絣
角筈村
箭筈
筈高
筈長
筈本
筈故
筈巻
矢筈草
矢筈檀
矢筈敷
矢筈形
無之筈
御手筈
弓筈
...