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大野氏
これを
調べるには、
和田氏が
卷尺を
持つ、
余が一
方に
其端を
持ち、一
方に
燈器を
持つ。
大野氏が
一々圖を
取るといふ
役目で、
然うして
居る
間に、
頭と
尻と
衝突する。
足を
踏む。
手を
突く。
第一
番には
大野氏が
入る
筈だからと
考へながら、
猶今一
度窟の
底部を
照らして
見やうとして、
龕燈を
持直す
途端に、
余の
足は
入口のくづれたる
岩面を
踏んだので、ツル/\と
穴の
中へ
濘り
落ちた。