“愚痴”のいろいろな読み方と例文
旧字:愚癡
読み方割合
ぐち97.5%
かごと0.5%
ぐず0.5%
ぐちツ0.5%
ぐぢ0.5%
こぼ0.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殿様とちがって女の愚痴ぐちがまじる。みんながよってたかっておだて上げるから、若様たちは本気になって勉強しないとおっしゃった。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「なにを言うぞ。……愚痴かごと老人としよりのくせじゃ、たとえ二年が三年遅れたとて、こう戻り来して、まさめに眉面まゆつらつきを見たうえは、長年の思いも晴れたそうな」
生霊 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
是から歳暮くれに成りますると少し不都合で愚痴ぐずばかり云っている処へ、幇間たいこもちの三八
松と藤芸妓の替紋 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
愚痴ぐちツぽくて、内気で、苦労性で、何事も無い日でも心から笑ふといふ事は全たくなかつた。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
うえればかぎりもないが、したればまだ際限さいげんもないのです。何事なにごとみなふかふか因縁いんねん結果けっかとあきらめて、おたがい無益むやく愚痴ぐぢなどはこぼさぬことにいたしましょう。
かたわらよりくだん屑買くずや、「わしゃまた一日ついたちと十五日が巡回日まわりびで今日もって来たのじゃが、この様子では入ってからあきないは出来ぬらしい、やれさても。」と大きに愚痴こぼす。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)