少々せう/\)” の例文
あゝ……有難ありがたうよ……うもピリ/\痛んでたまらない……深く切つたと見えて血が止まらない……モシ少々せう/\お願ひがございますがな
みぎ車麩くるまぶのあるのをつけて、おかみさんと馴染なじみだから、家内かないたのんで、ひとかゞり無理むりゆづつてもらつたので——少々せう/\おかゝをおごつてた。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
日本にほん麻雀マアジヤン近頃ちかごろ少々せう/\ねこ杓子しやくしものかんじになつてしまつたが、わづか四五ねんほどのあひだにこれほど隆盛りうせい勝負事しようぶごとはあるまいし
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
貴方あなた少々せう/\ねがひつてたのですが、何卒どうぞ貴方あなたわたくしと一つ立合診察たちあひしんさつてはくださらんか、如何いかゞでせう。』と、なくハヾトフはふ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
第三 さけちや菓子かしるゐ食時しよくじせつ少々せう/\もちゐて飮食いんしよく消化せうくわたすくるはがいなしといへども、その時限じげんほか退屈たいくつときもちゆとうがいあること
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
そして依然いぜんとして『御返事ごへんじつてります』とある。をとこ少々せう/\氣味きみわるくなつた。とう/\また葉書はがきが十二まいたまつた。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
取てたのまれしとて罪の處は同じ事だぞと申さるゝに多兵衞は彌々いよ/\閉口へいこうなし實に恐れ入ました金子をべつに取てたのまれたと申ではなく少々せう/\ばかりの酒代さかだい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何處どこまで山氣やまぎがあるんだかわからないんで、わたし少々せう/\劍呑けんのんになつてるんですよ。それでもはなれてゐるうちは、まあうかしてゐるだらうぐらゐおもつてはふつてきます。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
今宵こよひ舊暦きうれきの十三舊弊きうへいなれどお月見つきみ眞似事まねごと團子いし/\をこしらへてお月樣つきさまにおそなまをせし、これはおまへ好物かうぶつなれば少々せう/\なりとも亥之助ゐのすけたせてあげやうとおもふたれど
十三夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
少々せう/\のおまじないが御座ございましても、つてれば気のく事ではございませぬ。
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
アヽおかゝつて少々せう/\だんまうしてえ事があつて出ましたんで。書生「おだんまうしたい……エヽ先生八百屋やほや甚兵衛じんべゑさんがお入来いでで。 ...
八百屋 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
をんなでさへその意氣いきだ。男子だんしはたらかなければならない。——こゝで少々せう/\小聲こごゑになるが、おたがひかせがなければかない。……
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
なし漸く金一兩一分ときまり直八は道具屋に向ひは付たが金子の持合もちあはせは少々せう/\不足ふそくだがやうやして是を手付として置て行ませうと金一取出し翌日あすあさのこりの金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
しかるうちに少々せう/\なりともやかましき財産ざいさんなどのれば、みす/\他人たにんなるれにひきわたすことをしくもるべく、また縁者ゑんじやうちなるよくばりどもたゞにはあらで運動うんだうすることたしかなり
ゆく雲 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし、それもこれもつまりは勝負事しようぶごとちたいといふよくと、ほこりと、あるひ見得みえとからくるのかとおもふと、人間にんげんいやしさあさましさも少々せう/\どんづまりのかんじだが、支那人しなじん麻雀マアジヤンばかりとははず
麻雀を語る (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
軒下のきした少々せう/\拝借はいしやくいたします……きましてわたくし新入しんまい乞食こじきでございまして唯今たゞいま其処そこころびましてな、足を摺破すりこはしまして血が出て困りますが
少々せう/\怪我けがぐらゐはする覚悟かくごで、幻覚げんかく錯視さくしかとみづかあやしむ、そのみづいろどりに、一だんと、えだにのびて乗出のりだすと、あま奇麗きれいさに、くらんだのであらう。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
請取うけとりすぐに賣ても十四五兩はまうけ徐々そろ/\賣ば三十兩は屹度きつと利の有る品何卒九十兩御貸下さるべし直に御入用に候はゞ糶拂せりはらひにして指上さしあげ申べし少々せう/\手間取てまどりても苦しからずば代物を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
そのさまはどうなされた今日けふはまだかほえぬとはれてまさかに、いままでこれ/\でつぎいてられますともひがたければ、少々せう/\御不加减ごふかげんで、しかしもうよろしう御座ござりませうほどに
経つくゑ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
へい、今日けふは休みましてござります、きまして差配さはいさん少々せう/\ねがひがあつて出ました。「アヽなんだイ。金「私共わたしども隣家となり源八げんぱち修業しゆげふに出ますばうさんナ。 ...
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
少々せう/\さむし、不景氣ふけいき薄外套うすぐわいたうそで貧乏びんぼふゆすりにゆすつてると、算木さんぎ四角しかくならべたやうに、クツシヨンにせきつてきやくが、そちこちばら/\と立掛たちかゝる。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
その主人しゆじんに一ねん馴染なじみりの奉公人ほうこうにん少々せう/\無心むしんかぬとは申されまじ、此月末このつきずゑかきかへをきつきて、をどりの一りやう此處こゝはらへばまたつき延期のべにはなる、くいはゞよくたれど
大つごもり (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
眞晝間まつぴるまつきものがしたか、ばかされてでもるやうで、そのね、ふさんだをとこなんざ、少々せう/\氣味きみわるかつた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
はい。男「少々せう/\ものうけたまはりたうございますが、此処こゝ何処どこですね。女「此処こゝは六だうつじでございますよ。 ...
明治の地獄 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
中々なか/\うまいね……エーわたくし書林ほんやから使つかひまゐりましたが、先生にこれは誠に少々せう/\でございますが差上さしあげてれろと、主人に斯様かうまうされまして、使つかひまかでました。
西洋の丁稚 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
が、をりから、ざあ/\りにかぜ吹添ふきそつて、つぎ金屏風きんびやうぶ青味あをみびて、少々せう/\すゞしくぎた。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
慈悲なさけ何卒どうか煙草たばこ粉末こなでも少々せう/\いたゞきたいもので……エー/\粉末こないのでございますがな。
金鍔きんつば二錢にひやく四個よんこあつた。四海しかいなみしづかにしてくるまうへ花見はなみのつもり。いやうもはなしにならぬ。が意氣いきもつてして少々せう/\工面くめんのいゝ連中れんぢうたれ自動車じどうしや……ゑんタクでもい。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
片手かたてづまみの大皿おほざらすしは、鐵砲てつぱう銃口すぐちそろへ、めざすてきの、山葵わさびのきいたあかいのはとくのむかし討取うちとられて、遠慮ゑんりよをした海鰻あなごあまいのがあめのやうに少々せう/\とろけて、はまぐりがはがれてる。
祭のこと (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
先方せんぱうでは貴顕きけんのお客様きやくさまですから丁寧ていねい取扱とりあつかひでございましておかみかたはお二階にかいあるひ奥座敷おくざしきといふのでわたくしつぎのお荷物の中の少々せう/\ばかりの明地あきちかしていたゞく事にあひなりました。
牛車 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ひさしい以前いぜんだけれど、大塚おほつか火藥庫くわやくこわき、いまの電車でんしや車庫しやこのあたりにんでときあたかはるすゑころ少々せう/\待人まちびとがあつて、とほくからくるまおとを、ひろ植木屋うゑきやにはめんした
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
エヽ三十七さいで。殿「何処どこか悪いところでもあるか。○「へい少々せう/\下腹したはらが痛いやうで。 ...
華族のお医者 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
このときも、さいはひ何處どこまど閉込とぢこんでたから、きなつくさいのをとほして、少々せう/\小火ぼやにほひのするのが屋根々々やね/\ゆきつてげて、近所きんじよへもれないで、申譯まをしわけをしないでんだ。
火の用心の事 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
へい/\有難ありがたぞうじます、何卒どうぞ頂戴致ちやうだいいたしたいもので。姫「少々せう/\ひかへてや。「へい。あはてゝ一ぱい掻込かつこみ、何分なにぶん窮屈きうくつたまらぬからあはつて飛出とびだしたが、あま取急とりいそいだので莨入たばこいれ置忘おきわすれました。 ...
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
かぜ模樣もやうは……まあどうだらうと、此弱蟲このよわむし悄々しを/\と、少々せう/\ぐらつく欄干らんかんりかゝると、島田しまだがすつとつて……九月くぐわつ初旬しよじゆんでまだ浴衣ゆかただつた、そでむで、しろうみうへへさしのべた。
麻を刈る (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
麦稈帽むぎわらぼう鷲掴わしづかみに持添もちそへて、ひざまでの靴足袋くつたびに、革紐かはひもかたくかゞつて、赤靴あかぐつで、少々せう/\抜衣紋ぬきえもん背筋せすぢふくらまして——わかれとなればおたがひに、たふげ岐路えだみち悄乎しよんぼりつたのには——汽車きしやからこぼれて
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
少々せう/\俯向うつむいて、かんがへるやうに、歌袖うたそでひざいた姿すがたは、またたぐひなくうつくしい。
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あゐなり、こんなり、萬筋まんすぢどころの單衣ひとへに、少々せう/\綿入めんいり羽織はおりこんしろたびで、ばしや/\とはねをげながら、「それまたみづたまりでござる。」「如何いかにもぬまにてさふらふ。」と、鷺歩行さぎあるきこしひねつてく。
深川浅景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
もはや、……少々せう/\なりとももつをと、きよと/\と引返ひきかへした。が、わづかにたのみなのは、火先ひさきわづかばかり、なゝめにふれて、しもなかかみ番町ばんちやうを、みなみはづれに、ひがしへ……五番町ごばんちやうはう燃進もえすゝことであつた。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かねば、わざへて、何処どこともらず、真夜中まよなかにアハヽアハヽわらひをる、吃驚びつくりするとふなえる、——此方こつち自棄腹やけばらどうめて、少々せう/\わきしたくすぐられても、こらへてじつとしてびくまもれば
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
少々せう/\ばかり小遣こづかひなかからやうなものを、」
片しぐれ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
少々せう/\はなしとほりすぎた、あとへもどらう。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
飛脚ひきやくむかずに、少々せう/\けて
みつ柏 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
少々せう/\しやくだが、しかし可笑をかしい。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
十一時じふいちじ少々せう/\ぎてた。
山の手小景 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)