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飾磨
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しかま
ふりがな文庫
“
飾磨
(
しかま
)” の例文
そのうちに、
飾磨
(
しかま
)
道の並木のうえに、ぼっと火光が
映
(
さ
)
して来た。点々と、
松明
(
たいまつ
)
が近づいてくる。
凍
(
い
)
てた大地を
戛々
(
かつかつ
)
と
馬蹄
(
ひづめ
)
の音も聞えてくる。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
播磨風土記
飾磨
(
しかま
)
郡の条に、墓を造って葬り、後其正骨を運び去ると云い、賀毛郡の条に、朝夕日の隠れぬ地に墓を造って其の骨を蔵すなどあるのは
火葬と大蔵:焼屍・洗骨・散骨の風俗
(新字新仮名)
/
喜田貞吉
(著)
飾磨
(
しかま
)
郡増位山随願寺の
会式
(
えしき
)
で僧俗集まり宴
酣
(
たけなわ
)
なる時、薬師寺の
児
(
ちご
)
小弁は
手振
(
てぶり
)
に、桜木の小猿という児は詩歌で座興を助けるうち争論起り小猿打たる
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
「
飾磨
(
しかま
)
河」は
播磨
(
はりま
)
で、今姫路市を流れる船場川だといわれている。巻七(一一七八)の或本歌に、「
飾磨江
(
しかまえ
)
は漕ぎ過ぎぬらし天づたふ日笠の浦に波立てり見ゆ」
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
播磨風土記の
飾磨
(
しかま
)
郡
貽和
(
いわ
)
ノ里の条に、雄略朝に尾治連の祖先である
長日子
(
ながひこ
)
と、その善婢と愛馬との墓が三つ並んでいるが、これは長日子の死に妾と馬とを殉葬したものである。
本朝変態葬礼史
(新字新仮名)
/
中山太郎
(著)
▼ もっと見る
摂津の先きの
播磨
(
はりま
)
の
飾磨
(
しかま
)
郡にある穴無庄、同じく揖保郡にある太田庄、また共に三条西家の所領であった。穴無の郷の公用というのは、その公文職の年貢なので、年一千疋が定額であったらしい。
東山時代における一縉紳の生活
(新字新仮名)
/
原勝郎
(著)
勝色
(
かちいろ
)
は
飾磨
(
しかま
)
の
染
(
そめ
)
の
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
播州
(
ばんしゅう
)
飾磨
(
しかま
)
の
玲珠膏
(
れいじゅこう
)
の本家で名物の目薬を買ったことのある者ならこのむすめには見覚えのあるはずであるが、菊女はめったに往来へも出なかった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「実はのう新七。へんなはなしだが、
飾磨
(
しかま
)
から来ておるおまえの義妹とかいうむすめだな。あれはどうする気じゃ。良縁があれば嫁にでもやる気か」
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その
飾磨
(
しかま
)
の
浦
(
うら
)
の川尻に、
午
(
ひる
)
ごろから小舟をつないで、やがて迫る
黄昏
(
たそがれ
)
に、
佗
(
わび
)
しい
炊煙
(
すいえん
)
をあげている
一艘
(
いっそう
)
の世帯がある。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お通は、
堺
(
さかい
)
の港から赤間ヶ関へゆく便船に乗って、その船が、
飾磨
(
しかま
)
へ寄港した折この土地へ下りたのであったから。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
(こんどの船都合は、この
飾磨
(
しかま
)
に上がる
旅客
(
きゃく
)
もなし、少しの積荷は、沖待ちの船頭から受取ったので、船はすぐここから
室
(
むろ
)
の
津
(
つ
)
へ廻し、先を急ぐので)
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
が、
飾磨
(
しかま
)
の浜で船支度して待っている面々のうちには、なお屈強が揃っているし、兵庫の浦まで行けば、そこには、父の官兵衛が待っているはずだった。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
海路の北風を負って今しがた
飾磨
(
しかま
)
の港に着いたのであろうが、船はついても、多くの供の衆や、馬匹、荷駄などを降ろすのになお手間どっていたのであろう。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
飾磨
(
しかま
)
から船中の間では目的を果し得なかったが、そのうちには、
屹度
(
きっと
)
最初の意志を貫徹してみせるぞという凄い盗児のよくやる挑戦的な
揶揄
(
からかい
)
にちがいない——と
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この日ごろから、すぐそこらの
揖保
(
いぼ
)
や
飾磨
(
しかま
)
の山々も、白い雲か霧かの中に、
漠々
(
ばくばく
)
と、見えなくなった。
私本太平記:11 筑紫帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
また、吉川元春の兵は、遠く、背後の平地から
飾磨
(
しかま
)
あたりまで行動し出し、織田軍の
輜重
(
しちょう
)
部隊を奇襲したり、兵船を焼いたり、流言を放ったり、
攪乱
(
こうらん
)
に努め出した。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「幸いに、海上は穏やかです、どうか夜もすがらでも、お過しください。
飾磨
(
しかま
)
の
浦
(
うら
)
に着くまでは」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
途中、便船が
飾磨
(
しかま
)
の港へ寄った時、いちど町へ降りて、買い物をととのえ、夕刻の出る
間際
(
まぎわ
)
に船へ帰って来ると、その混雑の中で、誰やらふところの路銀へ手をかけたものがある。
梅颸の杖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
南に
飾磨
(
しかま
)
の津をいだき、
舟行
(
しゅうこう
)
の便はいうまでも候わず、
高砂
(
たかさご
)
、
屋島
(
やしま
)
などへの通いもよく、市川、加古川、
伊保川
(
いほがわ
)
などの河川をめぐらし、
書写山
(
しょしゃざん
)
、
増位山
(
ますいやま
)
などの
嶮
(
けん
)
を負い、中国の要所に
位
(
くらい
)
し
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、
飾磨
(
しかま
)
方面の並木道から、辻の木戸へ、路傍の警固へむかって、合図して駈け去ると、大手の夜空は一きわ明々と篝を
熾
(
さかん
)
にし出し、町の沿道は、急に、
凍
(
い
)
てついたようにひそまり返っていた。
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
姓は
俵
(
たわら
)
、名は一八郎、三十四、五の男
盛
(
ざか
)
り、九条村の
閑宅
(
かんたく
)
にこもって以来、鳩使いとなりすまし、京の
比叡
(
ひえい
)
、
飾磨
(
しかま
)
の浜、遠くは丹波あたりまで出かけて、
手飼
(
てが
)
いの鳩を放して自在に馴らしている。
鳴門秘帖:01 上方の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“飾磨”の解説
飾磨(しかま)は、姫路市南部の飾磨区の各町からなる地区。
飾磨区の範囲は市川東岸の妻鹿地区も含むかなり広大なものであるが、狭義では野田川と船場川に挟まれた区域周辺(おおむね山陽電鉄飾磨駅のある一帯)を指す。地元で単に「飾磨」と言った場合には狭義の飾磨を指すことが多く、妻鹿地区や英賀地区は通常「飾磨」とは認識されない(以下、「飾磨」は狭義の飾磨を指す表現として用い、飾磨区については「飾磨区」と記す。姫路市の「区」については、姫路市の「区」を参照)。
(出典:Wikipedia)
飾
常用漢字
中学
部首:⾷
13画
磨
常用漢字
中学
部首:⽯
16画
“飾磨”で始まる語句
飾磨染
飾磨屋
飾磨江
飾磨河
飾磨津