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あっけ
ふりがな文庫
“
飽気
(
あっけ
)” の例文
旧字:
飽氣
例
(
れい
)
によりてその
飽気
(
あっけ
)
なさ
加減
(
かげん
)
と
言
(
い
)
ったらありません。
私
(
わたくし
)
はちょっと
心
(
こころ
)
さびしく
感
(
かん
)
じましたが、それはほんの一
瞬間
(
しゅんかん
)
のことでございました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
あまりによく知り過ぎている平次の言葉に、岩松は
飽気
(
あっけ
)
に取られてその顔を眺めておりましたが、思い直した様子で、こう続け出しました。
銭形平次捕物控:037 人形の誘惑
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「おや、
恐
(
こわ
)
い、恐いこッた。へん、」と
太々
(
ふてぶて
)
しい。
血眼
(
ちまなこ
)
でもう
武者振附
(
むしゃぶりつき
)
そうだから、
飽気
(
あっけ
)
に取られていた円輔が割って入った。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「本来俺の役目と云えば、住居を突き止めることだけだ。幸い住居は突き止めた。このまま帰っても可い筈だ。……だが何うも少し
飽気
(
あっけ
)
ないな」
天主閣の音
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
丑之助は、
飽気
(
あっけ
)
ない顔したが、いわるるまま牛の
頭
(
かしら
)
を向け直した。——と、何処かで、オオーイと呼ぶ声がその時聞えた。
宮本武蔵:08 円明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
川島は、深山幽谷のつもりで
跋渉
(
ばっしょう
)
して来たところが、突然、お屋敷の裏庭に飛出してしまった時のような、むしろ
飽気
(
あっけ
)
なさを覚えながら、下って行った。
植物人間
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
まさかあんなものは出来そうもないと思っていた珍らしい形の結晶、例えば段々鼓や
角錐
(
かくすい
)
なども、あんまり簡単に出来てしまって少し
飽気
(
あっけ
)
ない位であった。
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
大
(
おおい
)
に喜ぶかと思いの外、お糸さんは
左
(
さ
)
して色を動かさず、軽く礼を言って、
一寸
(
ちょっと
)
包みを戴いて、膳と一緒に持って行って了った。唯
其切
(
それぎり
)
で、何だか余り
飽気
(
あっけ
)
なかった。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
文壇の寿命が如何に短かいにしても美妙の人気は余りに
飽気
(
あっけ
)
なくて線香花火のようであった。
美妙斎美妙
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
蒼ざめた吉良の顔に、無礼を愛嬌にしている、幇間のような平茂も
飽気
(
あっけ
)
に取られた。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
だのに、この年上の男女たちは、汝自の言葉の間にさっさとこの虹を実現してしまいます。そのあまりの
飽気
(
あっけ
)
なさにわたくしは却って世の苦労人というものに憎みさえ持つのでした。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
甚七は暫く
飽気
(
あっけ
)
にとられていた。然し、そう云うと、自分の邸で斬合のあった時
新訂雲母阪
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
一緒になって、さっきの声はありゃ何だと
質
(
ただ
)
せば、鹿の声だと無造作である。土の段は。そりゃ奴等の作った寝場所でさあ。これで三十分も私を苦しめた謎の正体も
飽気
(
あっけ
)
なく解決されてしまった。
鹿の印象
(新字新仮名)
/
木暮理太郎
(著)
マニーロフの方も、すこし
飽気
(
あっけ
)
にとられた形で相手の顔を眺めていた。
死せる魂:01 または チチコフの遍歴 第一部 第一分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
誘ったほうが、
飽気
(
あっけ
)
にとられる始末だったんですって。
キャラコさん:08 月光曲
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
私
(
わたくし
)
どもとても、
幽界
(
ゆうかい
)
に
入
(
はい
)
ったばかりの
当座
(
とうざ
)
は、
何
(
なに
)
やらすべてがたよりなく、
又
(
また
)
飽気
(
あっけ
)
なく
思
(
おも
)
われて
仕方
(
しかた
)
がなかったもので……。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
その宮様と兄達の裏切りや、一族の大弥太の裏切りからして、このようにあわただしくこのように
飽気
(
あっけ
)
なく、お別れしなければならなくなったとは!
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
各種のメロディを皆同じような調子で歌いとおすのは、学校向きとでも言おうか、少し
飽気
(
あっけ
)
なくもある。
名曲決定盤
(新字新仮名)
/
野村胡堂
、
野村あらえびす
、
野村長一
(著)
このようにして色々の結晶の側面写真をとって見ると、平面写真ばかり見ていたのではどうしても分らなかったことが、
飽気
(
あっけ
)
ない位簡単に分って来るのでとても面白かった。
雪雑記
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
其儘出て来るのが、何だか
飽気
(
あっけ
)
なくて
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
しかし、いよいよ別れて見れば、その寂しさその
飽気
(
あっけ
)
なさ、ひしひしと身を食うばかりである。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
これで「私の原子爆弾」の話はおしまいである。誠に
飽気
(
あっけ
)
ない話である。
原子爆弾雑話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
機を見て構内へ切って入ろうと、構えの外に潜んでいた、熊太郎門下の壮士達が、意外の出来事に
飽気
(
あっけ
)
にとられ、今はかえって避難の人々を、助けている姿が諸所に見えた。
血煙天明陣
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ラシイヌは心でこう思って
飽気
(
あっけ
)
ないような表情をしたが、ダンチョンを
抛擲
(
うっちゃ
)
っても置けないので、彼を
旅宿
(
やど
)
まで運ぶための自動車を探しに街の方へ、大速力で走って行った。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
ははあ解った、こうなのだろう。あんまりおれが手っ取り早く、別れ話を
諾
(
き
)
いたので、それでお前には
飽気
(
あっけ
)
なく、やはり月並の別れのように、互いに泣き合おうというのだろう。
銅銭会事変
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
もし
迂濶
(
うかつ
)
に物でも云って、そのため楽しいこの瞬間が永遠に飛び去ってしまったなら、どんなに
飽気
(
あっけ
)
ないことだろうと、こう思ってでもいるかのように、二人はいつまでも黙っていた。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「これでは少しばかり
飽気
(
あっけ
)
ないな。せめて二、三人は叩っ斬りたいものだ」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
むしろ
飽気
(
あっけ
)
にとられたような様子で、駕籠から離れてしまいました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「あっ」と銀之丞は
飽気
(
あっけ
)
に取られた。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
むしろ
飽気
(
あっけ
)
ないくらいである。
神秘昆虫館
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
飽
常用漢字
中学
部首:⾷
13画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
“飽気”で始まる語句
飽気無