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間隙
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すき
ふりがな文庫
“
間隙
(
すき
)” の例文
「いふ事あらば
疾
(
と
)
くいへかし。この期に及びわれ
曹
(
ら
)
を欺き、
間隙
(
すき
)
を
狙
(
ねら
)
ふて逃げんとするも、やはかその
計
(
て
)
に乗るべきぞ」ト、いへば聴水
頭
(
こうべ
)
を打ちふり
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
君! 軌道と軌道の
接続点
(
つなぎめ
)
におおよそ二分ばかりの
間隙
(
すき
)
があるだろう、この間
下壇
(
した
)
の待合室で、あの工夫の
頭
(
かしら
)
に聞いたら一
哩
(
まいる
)
にあれがおよそ五十ばかりあるとね
駅夫日記
(新字新仮名)
/
白柳秀湖
(著)
実に、油断も
間隙
(
すき
)
もあったもんじゃ無い。どうだ、そのうちに一度兄貴の家へ集まるまいか。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
その
犠牲
(
いけにえ
)
が、十分苦しむのを見すまして、最後に飛びかゝる猫のように瑠璃子
父子
(
おやこ
)
が、一日を不安な期待の
裡
(
うち
)
に、苦しみ抜いて、やっと一時逃れの安心に入ろうとした
間隙
(
すき
)
に
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
泰軒は、ちらと
一瞥
(
いちべつ
)
をくれた……だけだったが、その
間隙
(
すき
)
が期せずして源十郎に機会を与えて、泥を飛ばして踏みこんだ鈴川源十郎、流光雨中に尾をえがいて振りおろした——。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
▼ もっと見る
「
行
(
ゆ
)
け、両君」と叫ぶ第一回の指揮者ランナウ君の声が沈黙を破つた。剣と剣とは
半
(
なかば
)
曇つた二月の空に
屡
(
しば/\
)
相触れて鳴つた。
間隙
(
すき
)
の無い見事な対戦に観る人の心は
胸苦
(
むなぐる
)
しい迄緊張した。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
今度
(
このたび
)
はいうべき事も
予
(
かね
)
て用意して、じれッたそうに
挿頭
(
かんざし
)
で髪を
掻
(
か
)
きながら、漸くの
思
(
おもい
)
で
間隙
(
すき
)
を見附け、「公債は今
幾何
(
いくら
)
なの?」と
嘴
(
くちばし
)
を
挿
(
は
)
さんでみれば、さて我ながら唐突千万! 無理では無いが
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
小林の筋の運び方は、少し
困絡
(
こんがら
)
かり過ぎていた。お延は彼の
論理
(
ロジック
)
の
間隙
(
すき
)
を突くだけに頭が
錬
(
ね
)
れていなかった。といって無条件で受け入れていいか悪いかを見分けるほど整った脳力ももたなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
今二匹が噬合ひはじめて、互ひに負けじと争ひたる、その
間隙
(
すき
)
を見すまして、静かに忍び寄るよと見えしが、やにはに捨てたる
雉子
(
きぎす
)
を
咬
(
くわ
)
へて、脱兎の如く逃げ行くを、ややありて二匹は心付き。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
避ける
間隙
(
すき
)
も無かった。彼女は以前の夫の方を振向いた。大塚さんはハッと思って、見たような見ないような振をしながら、そのまま急ぎ足に通り過ぎたが、総身電気にでも打たれたように感じた。
刺繍
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
たまには
自
(
みずか
)
ら進む事もあって、ふと十七字を並べて見たりまたは
起承転結
(
きしょうてんけつ
)
の四句ぐらい組み合せないとも限らないけれどもいつもどこかに
間隙
(
すき
)
があるような心持がして、
隈
(
くま
)
も残さず心を
引
(
ひ
)
き
包
(
くる
)
んで
思い出す事など
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
只
(
と
)
見れば
去
(
いぬ
)
る日鷲郎と、かの
雉子
(
きぎす
)
を争ひける時、
間隙
(
すき
)
を狙ひて雉子をば、盗み去りし猫なりければ。黄金丸は
大
(
おおい
)
に怒りて、一飛びに
喰
(
くっ
)
てかかり、
慌
(
あわ
)
てて柱に
攀昇
(
よじのぼ
)
る黒猫の、尾を
咬
(
くわ
)
へて曳きおろし。
こがね丸
(新字旧仮名)
/
巌谷小波
(著)
“間隙”の意味
《名詞》
すき。あいだ。すきま。
なかたがい。不和。
(出典:Wiktionary)
間
常用漢字
小2
部首:⾨
12画
隙
常用漢字
中学
部首:⾩
13画
“間”で始まる語句
間
間違
間際
間々
間諜
間柄
間近
間道
間隔
間髪