門外もんぐわい)” の例文
先生のみか世人よのひとおどろかすもやすかるべしと、門外もんぐわい躊躇ちうちよしてつひにらず、みちひきかへて百花園くわゑんへとおもむきぬ、しん梅屋敷うめやしき花園くわゑんは梅のさかりなり、御大祭日ごたいさいびなれば群集ぐんしふ其筈そのはずことながら
隅田の春 (新字旧仮名) / 饗庭篁村(著)
らちもなく万年青おもとあらひ、さては芝生しばふつてひろ姿すがたわれながらられたていでなく、これを萬一もし學友ともなどにつけられなばと、こヽろ笹原さヽはらをはしりて、門外もんぐわい用事ようじ兎角とかくいとへば
暁月夜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
かれ自身じしんなが門外もんぐわい佇立たゝずむべき運命うんめいをもつてうまれてたものらしかつた。それ是非ぜひもなかつた。けれども、うせとほれないもんなら、わざ/\其所そこまで辿たどくのが矛盾むじゆんであつた。かれうしろかへりみた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところへ、たちまち、門外もんぐわい、から/\とくるまおと、ヒヽンとうまいなゝこゑ
人参 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)