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いらつめ
ふりがな文庫
“
郎女
(
いらつめ
)” の例文
私の女主人公
南家
(
なんけ
)
藤原
郎女
(
いらつめ
)
の、幾度か見た二上山上の幻影は、古人相共に見、又僧都一人の、之を具象せしめた古代の幻想であった。
山越しの阿弥陀像の画因
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
この天皇は
穗積
(
ほづみ
)
の臣の祖先、タケオシヤマタリネの女のオトタカラの
郎女
(
いらつめ
)
と結婚してお生みになつた御子はワカヌケの王お一方です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「ああ
郎女
(
いらつめ
)
よ。ひどく
泣
(
な
)
くと人が聞いて
笑
(
わら
)
いそしる。
羽狹
(
はさ
)
の山のやまばとのように、こっそりと
忍
(
しの
)
び泣きに泣くがよい」
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
僕はあそこを読んでからは女の手らしい古い写経を見るごとに、あの藤原の
郎女
(
いらつめ
)
の気高くやつれた
容子
(
ようす
)
をおもい出して、何んとなくなつかしくなる位だ。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
「時にはなりぬ」だけで
詠歎
(
えいたん
)
のこもることは
既
(
すで
)
にいった。佐保の宅というのは、
郎女
(
いらつめ
)
の父大伴
安麿
(
やすまろ
)
の宅である。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
生命は
滞
(
とどこお
)
るところなく流動する。創造の華が枯木にも咲くのである。藤原南家の
郎女
(
いらつめ
)
が
藕糸
(
はすいと
)
を
績
(
つむ
)
いで織った
曼陀羅
(
まんだら
)
から光明が泉のように
涌
(
わ
)
きあがると見られる暁が来る。
夢は呼び交す:――黙子覚書――
(新字新仮名)
/
蒲原有明
(著)
藤原南家の
郎女
(
いらつめ
)
中将姫の伝説を小説化したもの、というよりも長詩と言った方がよいが、あの時代の人のこころが直接に感得されるような気がして、何度読んでも夢はますます美しくなる。
『死者の書』
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
郎女
(
いらつめ
)
の
白羊宮
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
、
薄田淳介
(著)
かれ高木の入日賣の御子、
額田
(
ぬかだ
)
の
大中
(
おほなか
)
つ
日子
(
ひこ
)
の命、次に
大山守
(
おほやまもり
)
の命、次に
伊奢
(
いざ
)
の眞若の命、次に
妹
(
いも
)
大原の
郎女
(
いらつめ
)
、次に
高目
(
たかもく
)
の郎女五柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
で御座りますが、
郎女
(
いらつめ
)
のお行くえも知れ、乳母もそちらへ行ったとか、今も人が申しましたから、落ちついたので御座りましょう。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
藤原仲麻呂
(
ふじわらのなかまろ
)
がその家持と支那文学の話などに打ち興じながら、いつか話題がちかごろ仏教に帰依した姪の
郎女
(
いらつめ
)
のうえに移ってゆく会話なども、いかにもいきいきとしていたな。
大和路・信濃路
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
天皇はそれといっしょに、
八田若郎女
(
やたのわかいらつめ
)
においとまをおつかわしになりました。しかしそのかわりには、
郎女
(
いらつめ
)
の名まえをいつまでも伝え残すために、
八田部
(
やたべ
)
という部族をおこしらえになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
南家
(
なんけ
)
の
郎女
(
いらつめ
)
は、一茎の草のそよぎでも聴き取れる
暁凪
(
あかつきな
)
ぎを、自身
擾
(
みだ
)
すことをすまいと言う風に、見じろきすらもせずに居る。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
そこでタカギノイリ姫の生んだ
御子
(
みこ
)
は、ヌカダノオホナカツヒコの命・オホヤマモリの命・イザノマワカの命・オホハラの
郎女
(
いらつめ
)
・タカモクの
郎女
(
いらつめ
)
の
御
(
おん
)
五
方
(
かた
)
です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
其で、今日昼の程、奈良へ向けて
早使
(
はやづか
)
ひを出して、
郎女
(
いらつめ
)
の姿が、寺中で見出された顛末を、仔細に告げてやつたのである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
次に
沼代
(
ぬなしろ
)
の
郎女
(
いらつめ
)
、またの
妾
(
みめ
)
の御子、
沼名木
(
ぬなき
)
の
郎女
(
いらつめ
)
、次に
香余理
(
かぐより
)
比賣の命、次に
若木
(
わかき
)
の
入日子
(
いりひこ
)
の王、次に吉備の
兄日子
(
えひこ
)
の王、次に高木比賣の命、次に
弟比賣
(
おとひめ
)
の命。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
「朝目よく」うるわしい
兆
(
しるし
)
を見た昨日は、
郎女
(
いらつめ
)
にとって、知らぬ経験を、後から後から
展
(
ひら
)
いて行ったことであった。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
次に
田井
(
たゐ
)
の中比賣、次に
田宮
(
たみや
)
の中比賣、次に藤原の
琴節
(
ことふし
)
の
郎女
(
いらつめ
)
、次に
取賣
(
とりめ
)
の王、次に
沙禰
(
さね
)
の王七柱。
古事記:02 校註 古事記
(その他)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
南家
(
なんけ
)
の
郎女
(
いらつめ
)
の手に入つた称讃浄土経も、大和一国の大寺と言ふ大寺に、まだ一部も蔵せられて居ないものである。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
この天皇、
葛城
(
かずらき
)
のソツ彦の
子
(
こ
)
のアシダの宿禰の女の
黒姫
(
くろひめ
)
の命と結婚してお
生
(
う
)
みになつた
御子
(
みこ
)
は、
市
(
いち
)
の
邊
(
べ
)
のオシハの王・ミマの王・アヲミの
郎女
(
いらつめ
)
、又の名はイヒトヨの郎女のお三
方
(
かた
)
です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
衣通
(
そとおり
)
媛の藤原
郎女
(
いらつめ
)
であり、禊ぎに関聯した海岸に
居
(
お
)
り、物忌みの海藻の歌物語を持ち、また因縁もなさそうな和歌
ノ
浦の女神となった理由も、やや明るくなる。
水の女
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
かう彼
女性
(
によしやう
)
は思つてゐる。だが其よりも大事なことは、此
郎女
(
いらつめ
)
——貴女は、昨日の暮れ方、奈良の家を出て、こゝまで歩いて来てゐるのである。其も唯のひとりであつた。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
郎
常用漢字
中学
部首:⾢
9画
女
常用漢字
小1
部首:⼥
3画
“郎”で始まる語句
郎
郎党
郎等
郎右衛門
郎君
郎苦叉鬼
郎潟
郎兵衛
郎右衞門
郎姫