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やりとり
ふりがな文庫
“
遣取
(
やりとり
)” の例文
敵意のあるものなら、手紙を
遣取
(
やりとり
)
するのも少し変ではないか、こう叔父が
混返
(
まぜかえ
)
したのが始まりで、お俊は負けずに言い争った。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何人
(
なんぴと
)
に断って、
俺
(
おれ
)
の妻と手紙の
遣取
(
やりとり
)
をする。一応主人たるべきものに挨拶をしろ! 遣兼ねやしない……
地方
(
いなか
)
は
煩
(
うるさ
)
いからな。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
更に繰返すと『其面影』の面白味は近代人の命の
遣取
(
やりとり
)
をする
苦
(
くるし
)
みの面白味でなくて、渋い意気な俗曲的の面白味であった。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
大通りの角で
立談
(
たちばなし
)
をしていた二人の姿と、ここへ来てからの小林の挙動と、途中から入って来た原の様子と、その
後
(
ご
)
三人の間に起った談話の
遣取
(
やりとり
)
とが
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
嫁婿の
遣取
(
やりとり
)
も二度や三度でなかつたと言ふ。盛岡の城下を
引掃
(
ひきはら
)
ふ時も、両家で相談した上で、多少の
所有地
(
もちち
)
のあつたのを幸ひ、此村に土着する事に決めたのださうな。
刑余の叔父
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
▼ もっと見る
お村は立って戸棚から
徳利
(
とくり
)
を出して、利休形の
鉄瓶
(
てつびん
)
へ入れて燗をつけ、膳立をして文治が一杯飲んではお村に
献
(
さ
)
し、お村が一杯飲んで又文治に
酬
(
さ
)
し、さしつ押えつ
遣取
(
やりとり
)
をする内
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
日本を天下第一の最良国と
成
(
な
)
すべき法を論ずれば「カムサスカ」の土地に本都を
遷
(
うつ
)
し、西
唐太
(
からふと
)
島に大城郭を建立し、山丹、満州と交易して
有無
(
うむ
)
を通じ、その交易に金銀を用いず品物同士の
遣取
(
やりとり
)
なれば
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
あの、親の体の内から迫り出て、
遣取
(
やりとり
)
をして
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
第一として人の
害
(
がい
)
に
成
(
なら
)
ぬ氣にても金子の
遣取
(
やりとり
)
致し
商賣
(
あきなひ
)
も
手廣
(
てびろ
)
き事なれば如何なる所に
遺恨
(
ゐこん
)
の
有間敷
(
あるまじき
)
者にも非ず又其外にも
何
(
なん
)
ぞ手掛りは無きと云るゝに平吉ヘイ其
手掛
(
てがか
)
りと申ては
別
(
べつ
)
に御座らねども爰に
少々
(
せう/\
)
心當り是とても右樣の儀を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
昼間
腕車
(
くるま
)
が壊れていましょう、それに、伊予紋で座が
定
(
きま
)
って、杯の
遣取
(
やりとり
)
が二ツ三ツ、私は五酌上戸だからもうふらついて来た時分、女中が耳打をして、玄関までちょっとお顔を
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
しかしその後はまたどうしても聴いていられなかった。
先刻
(
さっき
)
から
一言葉
(
ひとことば
)
ごとに
一調子
(
ひとちょうし
)
ずつ高まって来た二人の
遣取
(
やりとり
)
は、ここで絶頂に達したものと
見傚
(
みな
)
すよりほかに
途
(
みち
)
はなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「で、叔父さん、Uさんが言うには、考えて見れば橋本さんも御気の毒ですし、ああして唯
孤独
(
ひとり
)
で置いてもどうかと思うからして、せめて家族の人と手紙の
遣取
(
やりとり
)
位はさせて
進
(
あ
)
げたいものですッて」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
朋友なる給水工場の重役の宅で
一盞
(
いっさん
)
すすめられて杯の
遣取
(
やりとり
)
をする内に、
娶
(
めと
)
るべき女房の身分に就いて、忠告と意見とが折合ず、血気の論とたしなめられながらも、
耳朶
(
みみたぶ
)
を赤うするまでに
政談十二社
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
遣
常用漢字
中学
部首:⾡
13画
取
常用漢字
小3
部首:⼜
8画
“遣”で始まる語句
遣
遣瀬
遣口
遣戸
遣手
遣繰
遣切
遣方
遣場
遣付