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諫止
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かんし
ふりがな文庫
“
諫止
(
かんし
)” の例文
この席は軍議の席であるが、その根本の目的に、異論や
諫止
(
かんし
)
はゆるさぬ。ただ、その作戦上の範囲内で、何か、献策があらば聞こう。
新書太閤記:04 第四分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
お前が私に対する反抗的な気持からあまりにも向う見ずな事をしようとしているのを断然お前に
諫止
(
かんし
)
しなければならないと思った。
菜穂子
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
その際皇后が周囲の人々に
諫止
(
かんし
)
せられる程度の熱意を示して、自らこの浴場に臨んで何事かをされたということもあり得ぬことではない。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
船長は僕のこの向う見ずな考えを
諫止
(
かんし
)
しようと
努
(
つと
)
めたが、僕は高級船員の
居候
(
いそうろう
)
を断わって、かの一室を独占することにした。
世界怪談名作集:13 上床
(新字新仮名)
/
フランシス・マリオン・クラウフォード
(著)
それを
諫止
(
かんし
)
しようとする寅吉に提灯をつけさせ、二階の梯子を下りて、表口の戸をあけて外へ出ました。
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
▼ もっと見る
むげに
諫止
(
かんし
)
することもならず、だん/\同情するようになって策謀に引きずり込まれたのであろう。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
なぜに一人前の教育ある紳士がその母の旧思想を説破し、その苛酷な干渉を
諫止
(
かんし
)
して、夫婦の間の生活は専ら夫婦の間で決すべきものであることを宣明しなかったのであろう。
姑と嫁について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
出雲の
阿菩大神
(
あほのおおかみ
)
がそれを
諫止
(
かんし
)
しようとして出立し、
播磨
(
はりま
)
まで来られた
頃
(
ころ
)
に三山の争闘が止んだと聞いて、大和迄行くことをやめたという播磨
風土記
(
ふどき
)
にある伝説を取入れて作っている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
また、
今度
(
このたび
)
長政が信長と絶縁せんとするや、到底信長に敵しがたきを知って極力
諫止
(
かんし
)
せんとした。しかも、いよいよ手切れとなるや、単身敵陣に潜入して、信長を討たんことを決心す。
姉川合戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
戦争未亡人になった、下の姉の
朝
(
とも
)
子までが走りこんできて、涙とともに
諫止
(
かんし
)
するという劇的な局面になった。そんなら死ぬだけだと突っぱると、キリスト教では自殺は最大の罪悪です。
蝶の絵
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
勅書などを発せんとする場合には、これを
諫止
(
かんし
)
すべき職責を有するものである。
法窓夜話:02 法窓夜話
(新字新仮名)
/
穂積陳重
(著)
傍
(
かたわら
)
の人々は驚いた。急遽門弟を招集して評議した結果、翁の健康状態が許さぬ理由の下に翁を
諫止
(
かんし
)
してしまった。万事に柔順な翁は、この諫止に従ったらしいが
嘸
(
さぞ
)
かし残念であったろうと思う。
梅津只円翁伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
諫止
(
かんし
)
するようでもあり、奨励するようでもある。しかし若旦那として使用人の
掣肘
(
せいちゅう
)
を受ける必要はないと思った。もう決心をして機会を待っていた。この相場は
買
(
かい
)
だという直観が動いたのである。
勝ち運負け運
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
なぜか
諫止
(
かんし
)
することも、それを敢行するだけの成算があるのかないのか、細い事なども、訊ね出せない気もちに打たれてしまった。
源頼朝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
その中にも武部小四郎氏は、静かに涙を払って少年連を
諫止
(
かんし
)
した。
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
そのほか、幾多の悪条件をかぞえて、極力、道誉も
諫止
(
かんし
)
した。けれど、尊氏はいぜん、うなずく風もなかった。——ただ一ト言、考えてみる、といっただけである。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そうきめて、彼は
瞼
(
まぶた
)
をとじた。
面
(
おもて
)
を
冒
(
おか
)
して
諫止
(
かんし
)
するからには、多少、光秀から気まずい激語をうけようとも、いかに立腹されようとも、
断乎
(
だんこ
)
として、その
袂
(
たもと
)
を抑えきろう。
新書太閤記:07 第七分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
桃井直常をはじめ、
斯波
(
しば
)
高経も上杉定朝も、口をきわめて、
直義
(
ただよし
)
を
諫止
(
かんし
)
した。——直義も帰る気はない。すでに越前の金ヶ崎城に入って、自分の行動は遠近にひびいている。
私本太平記:13 黒白帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「はい。まったくは、
切
(
せつ
)
にご
諫止
(
かんし
)
申しあげたいところです。しかし今さら、お取り止めもなりますまい。……どうも是非なき次第、
楊志
(
ようし
)
も観念して参ることにいたしましょう」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「孔明に出しぬかれた! いざ来い、打ち揃って、直ぐさま君をご
諫止
(
かんし
)
せねばならん」
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
先頃、陶謙に頼まれて、曹操の侵略を
諫止
(
かんし
)
せんと、
説客
(
せっきゃく
)
におもむいたが、かえって曹操に一蹴されて不成功に終ったのを恥じて、徐州に帰らず、そのままこの
張邈
(
ちょうぼう
)
の許へ隠れていた彼だった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、極力
諫止
(
かんし
)
したというのである。——理由は
新書太閤記:09 第九分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
辛毘は、
諫止
(
かんし
)
した。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“諫止”の意味
《名詞》
諫 止(かんし)
忠告によって、主に目上の人間が行おうとしている悪事や軽挙を思い止まらせること。諫めて止(と)める。
(出典:Wiktionary)
諫
漢検準1級
部首:⾔
16画
止
常用漢字
小2
部首:⽌
4画
“諫”で始まる語句
諫
諫言
諫早
諫奏
諫議
諫鼓
諫争
諫書
諫諍
諫言立