言交いひか)” の例文
風情ふぜい一段いちだんで、みぎはには、所々ところ/″\たけひく燕子花かきつばたの、むらさきはなまじつて、あち此方こちまたりんづゝ、言交いひかはしたやうに、しろはなまじつてく……
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つく/″\とれば無残むざんや、かたちのないこゑ言交いひかはしたごとく、かしらたゝみうへはなれ、すそうつばりにもまらずにうへからさかさまつるしてる……
神鑿 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
つと、の(おもつた)がえて、まざ/\とうしてものを言交いひかはせば、武藏野むさしのをか横穴よこあなめいた、やま場末ばすゑびたまちを、さぐり/\にかせいで歩行あるくのが、さそはせて、としのやうに
三人の盲の話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)