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言交
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いひか
風情は
一段で、
汀には、
所々、
丈の
低い
燕子花の、
紫の
花に
交つて、あち
此方に
又一
輪づゝ、
言交はしたやうに、
白い
花が
交つて
咲く……
つく/″\と
見れば
無残や、
形のない
声が
言交はした
如く、
頭が
畳の
上へ
離れ、
裙が
梁にも
留まらずに
上から
倒に
釣して
有る……
漸つと、
其の(
思つた)が
消えて、まざ/\と
恁うしてものを
言交はせば、
武藏野の
丘の
横穴めいた、
山の
手場末の
寂びた
町を、
搜り/\に
稼いで
歩行くのが、
誘ひ
合はせて、
年を
越す
蚊のやうに