襤褸つゞれ)” の例文
襤褸つゞれの著物いたく窶れたれどもつぎ/\の色紙なか/\に畫師ゑしかるべき打扮に、半ば落葉を盈たしたる籠を負ひ、熊手を持ちて、森の中を歩み行く十四五の少女
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
戸の内なる泣く小兒、笑ふ女子は、皆襤褸つゞれを身に纏ひて、旅人の過ぐるごとに、手を伸べ錢をもとむ。馬の足掻あがきの早きときは、窓より首を出すべからず。石垣に觸るゝおそれあればなり。
その方法てだてぢゃが……おゝ、害心がいしんよ、てもはやはひってをるなア、絶望ぜつばうしたものむねへは!……おもすはあの藥種屋やくしゅや……たしか此邊このあたりんでゐるはず……いつぞやをりは、襤褸つゞれ
しづかにあしきよをはりていざとばかりにいざなはれぬ、流石さすがなり商賣しやうばいがらさんとして家内かないらす電燈でんとうひかりに襤褸つゞれはりいちじるくえてときいま極寒ごくかんともいはずそびらあせながるぞくるしき
別れ霜 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
薄き襤褸つゞれはまとふとも
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
繩帶なはおび襤褸つゞれころも
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)