行方不明ゆくえふめい)” の例文
なぜといって、行方不明ゆくえふめいになった丸尾無電技士の手首が発見され、そのの中に、ただごとではない手紙が握られていたのである。
幽霊船の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
江戸へ行かねばならぬその理由は、よそへ預けておいた行方不明ゆくえふめいの子供の行方がわかったから、それを取り戻しに行くのだと言っています。
大菩薩峠:21 無明の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「それはそうでございましょうな。人を一人殺したからには、その土地にはおられますまい。じゃそいつらは行方不明ゆくえふめいで?」
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
昨日きのう行方不明ゆくえふめいになった、三にんのものの家族かぞくや、たくさんの群集ぐんしゅうが、五つのあかいそりが、捜索そうさくかけるのを見送みおくりました。
黒い人と赤いそり (新字新仮名) / 小川未明(著)
上総屋の内儀おしのは、夫の行方不明ゆくえふめいに次いで、たった一人娘のお袖の誘拐ゆうかいで、半病人のようになっており、何を訊いてもらちがあきませんが、そのうちから
するとその翌る晩、十一時過ぎに安成が来て、「大杉が行方不明ゆくえふめいとなりました、」とひど昂奮こうふんして
最後の大杉 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
マリイの父親は、支那しなやヨーロッパに通う貨物船の水夫でした。ところが二年ばかり前、その貨物船が行方不明ゆくえふめいになり、船といっしょに父親も行方がわからなくなりました。
街の少年 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
そのとき朋輩ほうばい難船なんせんして行方不明ゆくえふめいとなり、ついによろこんでもらえなかったというのだ。
二十四の瞳 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
……梅子事すえの弟をれてとうさわ福住ふくずみへ参り居りそうろう処、水害のため福住はなみに押し流され、浴客よくかく六十名のうち十五名行方不明ゆくえふめいとの事にて、生死の程も分らず、如何いかんとも致し方なく
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
弥生が行方不明ゆくえふめいに!
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
あるのこと、沖合おきあいで、汽船きせん衝突しょうとつして、一そうはしずみ、ついに行方不明ゆくえふめいのものが、八にんあったそうだ。あのひとは、うみへくぐる名人めいじんだってな。
海が呼んだ話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
そのようにして、博士は、ムービー氏の行方不明ゆくえふめいになったのちも、天文台にたてこもって研究をつづけているうちに、ついに思いがけない大発見をした。
大宇宙遠征隊 (新字新仮名) / 海野十三(著)
その結果、ついに、つい今まで三人の方の行方不明ゆくえふめいとなったので、弁信だけはつけたりになっている。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「神津の若様が行方不明ゆくえふめいだ」
とにかく超短波の行方不明ゆくえふめい事件がさいわいになって、電波の中には電気天井をスースー抜けるものがあることが判りました。とは云うもののいまだに火星からも
科学が臍を曲げた話 (新字新仮名) / 海野十三丘丘十郎(著)
人々ひとびとは、十ねんばかりまえにあった大暴風雨だいぼうふううのことを記憶きおくからこしました。そして、三にんのものがいまだに行方不明ゆくえふめいであることをおもしたのであります。
明るき世界へ (新字新仮名) / 小川未明(著)
従来、五年半の周期で太陽をめぐっていたレキセル彗星が、千七百七十九年、木星に接近したために、どうした変動か行方不明ゆくえふめいになって、今日まで出て来ないということです。
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
二人の者が行方不明ゆくえふめいになって、今以て帰らないということが、物に動ぜぬ金椎を、安からぬ色に導いているということによって、二人も、これは打捨てて置けないと立ち上りました。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「あなたは、まだほんとうに気がついていないのですね。その怪しい事件というのは、ほかでもありません。団長のまつさんが、やっぱりさっきから、行方不明ゆくえふめいになっていることです」
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「園長がいよいよ行方不明ゆくえふめいと判った前後のことを話していただけませんか」
爬虫館事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)