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菱餅
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ひしもち
ふりがな文庫
“
菱餅
(
ひしもち
)” の例文
三月の節供の白酒、
菱餅
(
ひしもち
)
、あられ、米いりに至るまで、やや古い時代にあつては、それぞれ由緒のある、最貴の品だつたのである。
冬至の南瓜
(新字旧仮名)
/
窪田空穂
(著)
大抵
(
たいてい
)
の
家
(
うち
)
では
米
(
こめ
)
の
菱餅
(
ひしもち
)
を
出
(
だ
)
すのが
常例
(
じやうれい
)
であるが
勘次
(
かんじ
)
にはさういふ
暇
(
ひま
)
がないのでおつぎは
僅
(
わづか
)
に
小豆飯
(
あづきめし
)
を
炊
(
たい
)
て
重箱
(
ぢゆうばこ
)
を
持
(
もつ
)
て
行
(
い
)
つたのであつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「あられがなきや
菱餅
(
ひしもち
)
で間に合はせろ、——ところで、これから横川町の伊豆屋と、本郷丸山の本田樣のところへ行くが、付き合つて見るか」
銭形平次捕物控:310 闇に飛ぶ箭
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
愈
(
いよいよ
)
春だ。村の三月、三日には
雛
(
ひな
)
を飾る家もある。
菱餅
(
ひしもち
)
草餅
(
くさもち
)
は、何家でも出来る。小学校の新学年。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
日本一のお嬢さんを妾なんぞにしやあがって、
冥利
(
みょうり
)
を知れやい。べらぼうめ、
菱餅
(
ひしもち
)
や
豆煎
(
まめいり
)
にゃかかっても、上段のお雛様は、気の利いた鼠なら遠慮をして
甞
(
な
)
めねえぜ、
盗賊
(
ぬすっと
)
ア、盗賊ア、盗賊ア
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
菱餅
(
ひしもち
)
の底を渡る気で
真直
(
まっすぐ
)
な向う角を見ると藤尾が立っている。
濡色
(
ぬれいろ
)
に
捌
(
さば
)
いた濃き
鬢
(
びん
)
のあたりを、
栂
(
つが
)
の柱に
圧
(
お
)
しつけて、斜めに持たした
艶
(
えん
)
な姿の中ほどに、帯深く差し込んだ
手頸
(
てくび
)
だけが白く見える。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それは
空虚
(
から
)
になつた
飯
(
めし
)
つぎを
返
(
かへ
)
す
時
(
とき
)
に
其
(
そ
)
の
中
(
なか
)
へ
入
(
い
)
れてやる
爲
(
ため
)
であつた。
飯
(
めし
)
つぎには
大抵
(
たいてい
)
菱餅
(
ひしもち
)
と
小豆飯
(
あづきめし
)
とが
入
(
い
)
れられてあつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「これですよ、
菱餅
(
ひしもち
)
が三つ」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
子供等
(
こどもら
)
は
大小
(
だいせう
)
異
(
ことな
)
つた
粟
(
あは
)
の
菱餅
(
ひしもち
)
が一つは一つと
紙
(
かみ
)
の
上
(
うへ
)
に
分量
(
ぶんりやう
)
を
増
(
ま
)
して
積
(
つ
)
まれるのを
樂
(
たの
)
しげにして、
自分
(
じぶん
)
の
紙
(
かみ
)
から
兩方
(
りやうはう
)
の
隣
(
となり
)
の
紙
(
かみ
)
から
遠
(
とほ
)
くの
方
(
はう
)
から
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「これですよ、
菱餅
(
ひしもち
)
が三つ」
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“菱餅”の解説
菱餅(ひしもち)は、和菓子の一種。3月3日の桃の節句に雛人形を飾る際に、それと共に供える菱形の餅であり、桃の節句の行事食である。
赤・白・緑の3色のものが多いが、地方によっては異なり、2色であったり、5色や7色になっている餅を菱形に切って重ねて作る地域もある。今の形になったのは江戸時代からである。
(出典:Wikipedia)
菱
漢検準1級
部首:⾋
11画
餅
常用漢字
中学
部首:⾷
15画
“菱”で始まる語句
菱
菱形
菱屋
菱川師宣
菱川
菱山
菱垣船
菱紋
菱角
菱山修三