“菱垣船”の読み方と例文
読み方割合
ひしがきぶね100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
種彦は菱垣船ひしがきぶねや十組問屋仲間の御停止ごちょうじよりさしもに手堅い江戸中の豪家にして一朝いっちょうに破産するもののすくなくない事を聞知っていた処から
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
出平は眼をむいてこの若者の顔を見直し、それからまたあわててその船荷証券を見た。兵庫の菱垣船ひしがきぶねで有名な和田屋忠兵衛の証券である。
その船は舷側げんそく菱形ひしがたの桟をめた船板を使ったので、菱垣船ひしがきぶねと云った。廻船業は繁昌はんじょうするので、その廻船によって商いする問屋はだんだん殖え、大阪で二十四組、江戸で十組にもなった。
河明り (新字新仮名) / 岡本かの子(著)