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荒縄
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あらなわ
ふりがな文庫
“
荒縄
(
あらなわ
)” の例文
旧字:
荒繩
荒縄
(
あらなわ
)
で両手をしばりあげたまま、松明をぬすみだした物置小屋のなかへ三日間の
監禁
(
かんきん
)
をいいわたされてほうりこまれてしまった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
博士は
荒縄
(
あらなわ
)
で椅子に厳重にしばりつけられていると思いのほか、博士をしばっているものは見えなかった。博士はしずかに椅子から立ちあがった。
超人間X号
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
殊
(
こと
)
に
気味
(
きみ
)
の
悪
(
わる
)
かったのは
私
(
わたくし
)
のすぐ
傍
(
そば
)
に
居
(
お
)
る、
一人
(
ひとり
)
の
若
(
わか
)
い
男
(
おとこ
)
で、
太
(
ふと
)
い
荒縄
(
あらなわ
)
で、
裸身
(
はだかみ
)
をグルグルと
捲
(
ま
)
かれ、ちっとも
身動
(
みうご
)
きができなくされて
居
(
お
)
ります。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
テントのすぐ下には、
荒縄
(
あらなわ
)
でくくった
丸太棒
(
まるたんぼう
)
が縦横無尽に
交錯
(
こうさく
)
していた。その丸太棒の一本に、ポッツリと
雀
(
すずめ
)
のようにとまっている人の姿があった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
(いんえご
懇
(
ねんごろ
)
には及びましねえ。しっ!)と
荒縄
(
あらなわ
)
の
綱
(
つな
)
を引く。青で
蘆毛
(
あしげ
)
、
裸馬
(
はだかうま
)
で
逞
(
たくま
)
しいが、
鬣
(
たてがみ
)
の薄い
牡
(
おす
)
じゃわい。
高野聖
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
その川添いの庭に、百観音のお姿は、炭俵や米俵の中に、三、四体ずつ、
犇々
(
ひしひし
)
と詰め込まれ、手も足も折れたりはずれたり
荒縄
(
あらなわ
)
でくくって
抛
(
ほう
)
り出されてある。
幕末維新懐古談:33 蠑螺堂百観音の成り行き
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
燃えうつった火に肉にくい込むほどくくりつけてある
荒縄
(
あらなわ
)
がぷつりぷつりと切れて、自分と同じくらいの小さい子がその十字架から落ちて倒れ、煙の中を小走りに走って
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死――
(新字新仮名)
/
長与善郎
(著)
匪賊の
首領
(
かしら
)
は数人の手下をつれて、見物に出てきました。向こうには五十人ばかりの
捕虜
(
ほりょ
)
が、
荒縄
(
あらなわ
)
で縛られ、
棒杭
(
ぼうくい
)
に結びつけられて、もう覚悟を決めたらしく、うなだれていました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
輿を解くのが一仕事、東京から来た葬儀社の十七八の若者は、真赤になってやっと輿をはずした。
白木綿
(
しろもめん
)
で巻かれた
柩
(
ひつぎ
)
は、
荒縄
(
あらなわ
)
で
縛
(
しば
)
られて、多少の騒ぎと共に穴の中に
下
(
おろ
)
された。野良番は
鍬
(
くわ
)
をとった。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
フト
胸
(
むな
)
ぐるしい重みを感じて目をさました時には、すでに四、五人のあらくれ男がよりたかって、おのれの体に、
荒縄
(
あらなわ
)
をまきしめていたのだった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
もちろんその両腕はすでに
荒縄
(
あらなわ
)
で後ろ手に
縛
(
しば
)
られている。畳で
摺
(
す
)
った頬骨の擦り傷から血がふいていた。
黒田如水
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
注連
(
しめ
)
のついた
荒縄
(
あらなわ
)
がギリギリとかれの
腕
(
うで
)
へまわされた。民部はこのあいだに、なにか、いってやりたかったけれど、
胸
(
むね
)
がいっぱいで、かれにあたえることばを知らなかった。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
荒
常用漢字
中学
部首:⾋
9画
縄
常用漢字
小4
部首:⽷
15画
“荒”で始まる語句
荒
荒野
荒唐無稽
荒磯
荒寥
荒涼
荒海
荒々
荒神
荒地