草花屋くさばなや)” の例文
すぐまへの、はちものの草花屋くさばなや綿屋わたやつゞいて下駄屋げたやまへから、小兒こども四五人しごにんばら/\とつて取卷とりまいたときそでおとすやうに涼傘ひがさをはづして
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
あるのこと、さちは、まち使つかいにまいりました。そして、ようをすまして、かえりがけに、ふと草花屋くさばなやまえとおりかけて、おもわずまりました。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ある草花屋くさばなやみせさきに、河骨こうほねが、ちいさなはちなかにはいって、ガラス内側うちがわにかざられていました。
ガラス窓の河骨 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おどっている人形にんぎょうは、なにぶんにもよろしくといってたのみました。よるになると、まちなかは、いっそう、にぎやかになりました。楽器がっきながれたり、草花屋くさばなやたりしました。
三つのお人形 (新字新仮名) / 小川未明(著)
しかし草花屋くさばなや温室おんしつには、スチームがとおっているので、ちょうど五、六がつごろのあめのかかったように、しずくがぽたりぽたりとガラスおもてつたわって、したたっているのでした。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
なつのはじめのころに、一ぽんのばらに、しろゆきのようなはなきました。そのはなは、さちが、草花屋くさばなやで、ばなったときのはなよりも大輪だいりんで、香気こうきたかかったのであります。
花と少女 (新字新仮名) / 小川未明(著)
ちいちゃんも、うれしかったのです。往来おうらいると、ひとがたくさんとおっていました。草花屋くさばなやが、手車てぐるまうえへ、いろいろの草花くさばなはちをのせて、「草花くさばなや、草花くさばな。」といいながら、いていきました。
鳥鳴く朝のちい子ちゃん (新字新仮名) / 小川未明(著)