若様わかさま)” の例文
旧字:若樣
「いや若様わかさま、雷がまいりましたせつ手前てまえ一身いっしんにおんわざわいをちょうだいいたします。どうかご安心あんしんをねがいとうぞんじます」
シグナルとシグナレス (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
小櫻姫様こざくらひめさま、どうぞ若様わかさま生命いのちりとめてくださいませ……。わたくし過失ておち大切だいじ若様わかさまなせてしまっては、ドーあってもこのながらえてられませぬ。
「ねえ、ゴテルのおばあさん、うしてあんたのほうが、あの若様わかさまより、引上ひきあげるのにほねれるんでしょうね。若様わかさまは、ちょいとのに、のぼっていらっしゃるのに!」
大きな声では申されませんが、若様わかさまがたはみなさまどうもお姫様ひいさまがたほどご成績がよろしくない。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
何とかいう氏族うじぞく末流まつりゅうに当る由緒ゆいしょある家庭の長男に生れたと信じている私の父が、事実、その頃はまだかなり裕福に暮していた祖父のもとで我儘わがまま若様わかさま風に育てられたところから
此の意味で周三は、一家内から相應さうおう手厚てあつ保護ほごを受けることになツた。繪を研究する爲には、てい内に、立派な獨立どくりつの畫室もてゝ貰ツた。そして他から見ると、言分いひぶんの無い幸な若様わかさまになツてゐた。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
たとえわたくし生命いのちちぢめましても若様わかさまかしていただきます。小供こども時分じぶんから信心しんじんしてわたくしでございます、今度こんどばかりは是非ぜひわたくしねがいをおくださいませ……。