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わかさま
「ねえ、ゴテルのお
婆さん、
何うしてあんたの
方が、あの
若様より、
引上げるのに
骨が
折れるんでしょうね。
若様は、ちょいとの
間に、
登っていらっしゃるのに!」
大きな声では申されませんが、
若様がたはみなさまどうもお
姫様がたほどご成績がよろしくない。
言問の
曲角で、
天道是か
非か、
又一組、
之は
又念入な、
旦那樣は
洋服の
高帽子で、
而して
若樣をお
抱き
遊ばし、
奧樣は
深張の
蝙蝠傘澄して
押並ぶ
後から、はれやれお
乳の
人がついて
手ぶらなり。
見てやれ/\
若樣か此のお寒いのに
能先御出遊ばしたお松樣もお花樣も
嘸かし
御寒いことで御座んせう先々早ふ此方へと
案内しけるに兩人は藤三郎を
伴ひ
奧へ
這入ば惣右衞門は
待構し事ゆゑ我を