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膳立
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ぜんだ
ふりがな文庫
“
膳立
(
ぜんだ
)” の例文
……とはいえ、わたしがしきりに気をもんで、いろんな計画を立てているうちに、運命はちゃんとお
膳立
(
ぜんだ
)
てをしてくれたのである。
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
喜久井町
(
きくいちょう
)
にかえると、
老母
(
ばあ
)
さんは、
膳立
(
ぜんだ
)
てをして六畳の机の前に運んで来た。私はそれを食べながら、
銭
(
かね
)
の工面をして、出かけようとすると
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
しかも機会が、まるでわざと
膳立
(
ぜんだ
)
てしたように、初めて彼にドゥーニャを見せるために、兄に会った愛と喜びの美しい瞬間を与えたのである。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
良太郎も子供たちも慣れているため、彼女が帰らなくともべつにふしぎはないようすで、父親が
膳立
(
ぜんだ
)
てをすると、みんな温和しくめしを喰べる。
季節のない街
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
飯はどうなる事かと、またのそのそ台所へ
上
(
あが
)
った。ところへ
幸
(
さいわ
)
い婆さんが表から帰って来て
膳立
(
ぜんだ
)
てをしてくれた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
返って来ればチャンと
膳立
(
ぜんだ
)
てが出来ているというのが、毎日毎日版に
摺
(
す
)
ったように
定
(
き
)
まっている寸法と見える。
太郎坊
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
次手
(
ついで
)
だから、
次
(
つぎ
)
の
泊
(
とまり
)
の
休屋
(
やすみや
)
の
膳立
(
ぜんだ
)
てを
紹介
(
せうかい
)
した。
鱒
(
ます
)
の
塩
(
しほ
)
やき、
小蝦
(
こゑび
)
のフライ、
玉子焼
(
たまごやき
)
、
鱒
(
ます
)
と
芙萸
(
ずいき
)
の
葛
(
くづ
)
かけの
椀
(
わん
)
。
十和田湖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
慰労にも
前祝
(
まえいわ
)
いにも、常の通りの
膳立
(
ぜんだ
)
てでは、とても引きしまった晴れの感じにはなり切れなかったのである。
母の手毬歌
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
その
膳立
(
ぜんだ
)
てが立派であると同時に料理の種がすっかり限定されてしまって、生徒はそれだけを食って満足するが、他に食物のあることをいっさい忘却してしまう。
さるかに合戦と桃太郎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
やがて、
鮭
(
さけ
)
の焼いたので貧しい
膳立
(
ぜんだ
)
てをした父親が、それ丈けが楽しみの
晩酌
(
ばんしゃく
)
にと取りかかるのである。
夢遊病者の死
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
福子の
親父
(
おやじ
)
だのと云うものがお
膳立
(
ぜんだ
)
てをしたからなのだと、そう思われて、少し誇張した云い方をすれば、
生木
(
なまき
)
を割かれたような感じが胸の奥の方にくすぶっているので
猫と庄造と二人のおんな
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
二十
(
はたち
)
にもなれば、彼女はある日ハハキトクの
偽電報
(
にせでんぽう
)
一本で奉公先から呼びかえされ、
危篤
(
きとく
)
のはずの母たちの
膳立
(
ぜんだ
)
てのまま、よくはたらく
百姓
(
ひゃくしょう
)
か漁師の妻になるかもしれぬ。
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
お政は泣く子をかげでしかりつけ、
背
(
せ
)
におうて
膳立
(
ぜんだ
)
てをするのである。おちついてやるならばなんでもないことながら、心中
惑乱
(
わくらん
)
しているお政の手には、ことがすこしも運ばない。
告げ人
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
すっかりお
膳立
(
ぜんだ
)
てが出来たところで、政府筋と支那との直接契約が成立してしまった。
仮装人物
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
いつも
階下
(
した
)
におりて食べる御飯を、今日は主婦さんが
小
(
ち
)
さい餉台をもって上って、それに二人の
膳立
(
ぜんだ
)
てをしてくれた。
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
ちょうど妹が食事の
膳立
(
ぜんだ
)
てをしているところでしたが、私は妹を去らせ、食膳を押しやって筆談の用意をすると、梓は「まず食事を済ませて下さい」と書いてみせました。
失蝶記
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
あなたは小山田さんの留守中、毎日午後から
夜
(
よ
)
に
入
(
い
)
るまで、茶の湯と音楽の稽古に通ったのです。……ちゃんとお
膳立
(
ぜんだ
)
てをして置いて、僕にあんな推理を立てさせたのは誰だった。
陰獣
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
兄哥
(
あにや
)
のために姉さんが、お
膳立
(
ぜんだ
)
てしたり、お酒買ったりよ。
海異記
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
小倉に一と車積み出さしておいて、私は散らかった机の前で
老母
(
ばあさん
)
の
膳立
(
ぜんだ
)
てしてくれた朝飯の
箸
(
はし
)
を取り上げながら
うつり香
(新字新仮名)
/
近松秋江
(著)
「それに、おまえさんがそこまでお
膳立
(
ぜんだ
)
てをしてくれるつうなら、ためしにやってみてもいいと思うだ、そう思うだが、間違っても災難ごとなんぞ起こりやしねえだべえな」
似而非物語
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
酒が来、肴が届いて、
膳立
(
ぜんだ
)
てをしていると、またおしのが来て云った。
五瓣の椿
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
膳
常用漢字
中学
部首:⾁
16画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“膳”で始まる語句
膳
膳部
膳所
膳椀
膳拵
膳夫
膳箱
膳棚
膳所藩
膳飯