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肥立
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ひだち
ふりがな文庫
“
肥立
(
ひだち
)” の例文
こずえは女のくせに大きな児で、お産はちょっと重かったが、あとの
肥立
(
ひだち
)
は順調だったし、子供は申し分なく健康であった。
やぶからし
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そのうちにお若は安産いたし、
母子
(
おやこ
)
とも
肥立
(
ひだち
)
よく、甚兵衞夫婦は相変らず親切に世話してくれます。お若伊之助は夫婦になって田舎で安楽に暮して居ります。
根岸お行の松 因果塚の由来
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
夫は、三月の半ば頃で、譲吉の妻が、
肥立
(
ひだち
)
してから、まだ間もない日曜の事であった。その日は、全く冬が去り切ってしまったように、朝から朗かな日が照って居た。
大島が出来る話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
飽いたと云うよりも
寧
(
むし
)
ろ恐れたのであった。そんな
状態
(
ありさま
)
で幾年かを無意味に送る
間
(
あいだ
)
に、お杉は懐胎して重太郎を生んだが、産後の
肥立
(
ひだち
)
が
不良
(
よくな
)
いので久しく床に就いた。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
ば
玉之助
(
たまのすけ
)
と
號
(
なづ
)
け
掌中
(
たなそこ
)
の玉と
慈
(
いつく
)
しみ
養
(
そだ
)
てける
然
(
しかる
)
に妻は産後の
肥立
(
ひだち
)
惡
(
あし
)
く
荏苒
(
ぶら/\
)
と
煩
(
わづら
)
ひしが秋の末に至りては追々
疲勞
(
ひらう
)
し
終
(
つひ
)
に
泉下
(
せんか
)
の客とはなりけり嘉傳次の
悲歎
(
ひたん
)
は更なり
幼
(
をさな
)
きものを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
お
前
(
めい
)
、女房は産後の
肥立
(
ひだち
)
が良くねえので床に就いたきり、野郎は車でも
挽
(
ひ
)
かうツて見た所で、電車が通じたので其れも駄目よ、
彼此
(
かれこれ
)
する中に工場で
萌
(
きざ
)
した肺病が悪くなつて血を吐く
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
お産をした後は産後の食物が一番大切で
肥立
(
ひだち
)
の良いのも悪いのも乳の出るのも出ないのも食物次第で大層違う。だから誰でも女と生れたらお料理の事を覚えておかなければなりません。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
其年九月のはじめ
安産
(
あんざん
)
してしかも男子なりければ、
掌中
(
てのうち
)
に
珠
(
たま
)
を
得
(
え
)
たる
心地
(
こゝち
)
にて
家内
(
かない
)
悦
(
よろこ
)
びいさみ、
産婦
(
さんふ
)
も
健
(
すこやか
)
に
肥立
(
ひだち
)
乳汁
(
ちゝ
)
も一子に
余
(
あま
)
るほどなれば
小児
(
せうに
)
も
肥太
(
こえふと
)
り
可賀名
(
めでたきな
)
をつけて
千歳
(
ちとせ
)
を
寿
(
ことぶき
)
けり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それは産後の
肥立
(
ひだち
)
が悪かったせいだとも云い、または別の
病
(
やまい
)
だとも聞いているが、これも詳しい話をしてやるほどの材料に欠乏した僕の記憶では、とうてい
餓
(
う
)
えた彼の眼を静めるに足りなかった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
名を
四萬太郎
(
しまたろう
)
と附けましたが、おかめは産後の
肥立
(
ひだち
)
が悪く、
漸々
(
よう/\
)
のことで十一月になりますると、先ず体も治りましたから、斯んな山の中に何時までも居られる訳のものではない
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
後の
證據
(
しようこ
)
として下し置れしが澤の井儀は
元
(
もと
)
佐渡
(
さど
)
出生
(
しゆつしやう
)
の者故老母諸共生國佐州へ
歸
(
かへ
)
り間もなく御安産なりしが
産後
(
さんご
)
の
血暈
(
ちのみち
)
にて
肥立
(
ひだち
)
かね澤の井樣には相果られ其後は
老母
(
らうぼ
)
の手にて
養育
(
やういく
)
申上しが又候老母も病氣にて若君の御
養育
(
やういく
)
相屆
(
あひとゞ
)
かず即は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
肥
常用漢字
小5
部首:⾁
8画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“肥立”で始まる語句
肥立次第