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縄梯子
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なわばしご
ふりがな文庫
“
縄梯子
(
なわばしご
)” の例文
旧字:
繩梯子
彼は
縄梯子
(
なわばしご
)
に取りすがって、舷檣の頂きに登ろうと
努
(
つと
)
めた。それはあたかも去りゆくものの最後の
一瞥
(
いちべつ
)
を得んと望むかのように——。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
ここの部屋は「係員以外の出入厳禁」であったから、係員である僕たちは部屋に戻ると
縄梯子
(
なわばしご
)
を
捲
(
ま
)
きあげておかなければならなかった。
吊籠と月光と
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
ボートは、青い青い水を切って、傷ついた戦艦『メーン』の
舷
(
ふなばた
)
についた。
舷梯
(
げんてい
)
がなくなって、
縄梯子
(
なわばしご
)
がぶらりと下っている。
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
と思っていると、天井からスルスルと
縄梯子
(
なわばしご
)
が下り、それを伝って、一人の
小女
(
こおんな
)
が降りて来たが、
召使
(
めしつかい
)
であろう。彼に一礼してその場を立去った。
猟奇の果
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
と、同時に、ヘリコプターからバラリとおりてきたのは一条の
縄梯子
(
なわばしご
)
。四馬剣尺はヨタヨタとその縄梯子に手をかけた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
中は、真暗なのだが、慣れたわが庵のこと、爪先さぐりで、危なっかしい
縄梯子
(
なわばしご
)
を下りてゆくと、平らな板じきになる。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
上では、城内の武士が声をからして、八ぽうへ
手配
(
てくば
)
りをさけびつつ、
縄梯子
(
なわばしご
)
を、石垣のそとへかけおろしてきた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
吃りの漁夫と学生が、機関室の
縄梯子
(
なわばしご
)
のようなタラップを下りて行った。急いでいたし、慣れていないので、何度も足をすべらして、危く、手で
吊下
(
つりさが
)
った。
蟹工船
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
ただときどきだれか曲芸師仲間が
縄梯子
(
なわばしご
)
をよじ登ってくるだけで、そうすると二人でブランコに坐り、支え綱の右と左とによりかかりながらしゃべるのだった。
最初の苦悩
(新字新仮名)
/
フランツ・カフカ
(著)
窓を上手に切って、身体の自由になるようにして、細引で
縄梯子
(
なわばしご
)
がかけてあったのを上手に脱け出したから、旅に疲れた与力同心の面々も更に気がつきませんでした。
大菩薩峠:11 駒井能登守の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
帆船から投げてくれた
索
(
つな
)
をうけとって、伝馬船は帆船の
舷側
(
げんそく
)
につながれ、上からさげられた
縄梯子
(
なわばしご
)
をつたって、私たちは、さるのようにすばやく、帆船の甲板におどりこんだ。
無人島に生きる十六人
(新字新仮名)
/
須川邦彦
(著)
巡査の案内に従って、
松明
(
たいまつ
)
を片手に奥深く進み入ると、
此
(
この
)
頃は昇降の便利を計る為に、
横木
(
よこぎ
)
を
架
(
わた
)
した
縄梯子
(
なわばしご
)
が
卸
(
おろ
)
してあるので、幾十尺の穴を
降
(
くだ
)
るに格別の困難を感じなかった。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
まず
縄梯子
(
なわばしご
)
を右のふなばたにかけたので、幼年組は先をあらそうて梯子をおり、ひさしぶりで、陸地をふむうれしさに、貝を拾ったり、
海草
(
かいそう
)
を集めたりして、のどかな
唄
(
うた
)
とともに
少年連盟
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
上山を発してからは
人烟
(
じんえん
)
稀
(
まれ
)
なる
山谷
(
さんこく
)
の間を過ぎた。
縄梯子
(
なわばしご
)
に
縋
(
すが
)
って
断崖
(
だんがい
)
を
上下
(
しょうか
)
したこともある。
夜
(
よる
)
の宿は
旅人
(
りょじん
)
に
餅
(
もち
)
を売って茶を供する休息所の
類
(
たぐい
)
が多かった。宿で物を盗まれることも数度に及んだ。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
誰も気付かぬ
裡
(
うち
)
に、機体からスルスルと、
縄梯子
(
なわばしご
)
が下ろされ、やがて飛行服に身を固めた人が、機上から姿を現わすと、一段一段と、梯子を下りて行った。
空襲葬送曲
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
帆はすっかりおろしてありましたが、
帆桁
(
ほげた
)
のいくつもついたマストが三本立っていて、その頂上からたくさんの綱が、
蜘蛛
(
くも
)
の巣のように張ってあって、
縄梯子
(
なわばしご
)
のようなものもかかっています。
新宝島
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
三日に一度、周馬は、鏡下へ
縄梯子
(
なわばしご
)
を下ろして、密見の間をおとずれる。
鳴門秘帖:02 江戸の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
いよいよ南条はその
塀際
(
へいぎわ
)
までさがった時に、手早く塀の一端へ手をかけました。その手をかけたことによって気がつけば、見上げるような高い塀の上から、一条の
縄梯子
(
なわばしご
)
が架け下ろしてあります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
師父ターネフは、水夫長のような身軽さをもって、マストの
縄梯子
(
なわばしご
)
をよじのぼっていった。
爆薬の花籠
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と、木の根に結んだ
縄梯子
(
なわばしご
)
を岩肌で一つ振ってみせる。
私本太平記:04 帝獄帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ヘリコプターが照らす
探照灯
(
たんしょうとう
)
の光のために塔のなかは、昼よりもまだ明るいのである。一同はいま、ヘリコプターから
縄梯子
(
なわばしご
)
づたいにおりてきたのであろう。脚が少しフラついていた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「そこだ。しっかり漕げ。貝谷、銃を構えていろ。——そこでこのボートを幽霊船の船尾にぶらさがっている
縄梯子
(
なわばしご
)
の下へつける。おれがのぼったら、お前たちもあとからついてのぼれ」
幽霊船の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
牛丸少年をかつぎあげた
怪漢
(
かいかん
)
の一同は、それから間もなく白い河原の中へ下りていった。そこには、おあつらえ向きにヘリコプターが上に待っていて、
綱
(
つな
)
だか
縄梯子
(
なわばしご
)
だかを下ろしてあった。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そのとき臨検隊長岸少尉は、舷側におろされた
縄梯子
(
なわばしご
)
を今手をかけて下りようとしたところだったが、虎船長があらわれたと知って、つかつかと後へ戻り、無言のまましっかとその手をにぎった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
縄
常用漢字
小4
部首:⽷
15画
梯
漢検準1級
部首:⽊
11画
子
常用漢字
小1
部首:⼦
3画
“縄梯”で始まる語句
縄梯