紛々ふん/\)” の例文
はじめに寺などへ群居よりあひて狂言をさだめてのち、それ/\の役を定む。此群居よりあひ議論ぎろん紛々ふん/\として一度にてはたしたる㕝なし。
其代そのかはり二十八にちには大失敗だいしつぱいをして、あなるとたちま異臭ゐしう紛々ふん/\たるもの踏付ふみつけた。これは乞食こじき所爲しよゐだとおもふ。
ぱらつたか、寢込ねこんだか、馬方うまかため、馬鹿ばかにしやがると、異説いせつ紛々ふん/\たるところへ、提灯ちやうちん片手かたていきせいて
十六夜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
洋人來航するに及んで、物議ぶつぎ紛々ふん/\、東攻西げきして、内訌ないこう嘗てをさまる時なく、終に外國の輕侮けいぶまねくに至る。此れ政令せいれいに出で、天下耳目のぞくする所を異にするが故なり。
眠らんとするにゆかしき香氣にほひ紛々ふん/\と鼻を撲ちて我ながら夢とも幻とも分かず。
花枕 (旧字旧仮名) / 正岡子規(著)
はじめに寺などへ群居よりあひて狂言をさだめてのち、それ/\の役を定む。此群居よりあひ議論ぎろん紛々ふん/\として一度にてはたしたる㕝なし。
そでいておもてはらへば、はるかくもなかに、韓湘かんしやうあり。唯一人たゞいちにんゆきをかして何處いづこよりともなく、やがて馬前ばぜんきたる。みの紛々ふん/\として桃花たうくわてんじ、微笑びせうして一揖いちいふす。叔公をぢさんのちはと。
花間文字 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)