トップ
>
笄
>
かんざし
ふりがな文庫
“
笄
(
かんざし
)” の例文
法外流居合の
秘奥
(
ひおう
)
「駕籠飾り」——その刀を刺した駕籠が何十本となく、光る
笄
(
かんざし
)
で飾られた女の髪のように見えるところから来た、名称だった。
煩悩秘文書
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
水野
越前
(
えちぜん
)
の
勤倹御趣意
(
きんけんごしゅい
)
のときも、
鼈甲
(
べっこう
)
の
笄
(
かんざし
)
をさしていて、外出するときは
白紙
(
かみ
)
を巻いて平気で歩いたが、
連合
(
つれあい
)
卯兵衛が代ってお
咎
(
とが
)
めをうけたのだ。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
髪
(
かみ
)
は
房
(
ふツさ
)
りとするのを
束
(
たば
)
ねてな、
櫛
(
くし
)
をはさんで
笄
(
かんざし
)
で
留
(
と
)
めて
居
(
ゐ
)
る、
其
(
そ
)
の
姿
(
すがた
)
の
佳
(
よ
)
さといふてはなかつた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大事な荷物を持って行ってしまいましたが、
彼
(
あ
)
の中には
金子
(
かね
)
も入って居り、殊に大事な櫛
笄
(
かんざし
)
や衣類も入って居ります故、あれを取られましては
母親
(
おふくろ
)
にどんな
苛
(
ひど
)
いめに逢わされ
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
姉は
上眼
(
うわめ
)
を使いながら、
笄
(
かんざし
)
で
髷
(
まげ
)
の根を
掻
(
か
)
いていたが、やがてその手を火鉢へやると
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
「まさか江戸表から、
櫛
(
くし
)
や
笄
(
かんざし
)
などを入れた物を、護っては参りませぬ」
牢獄の花嫁
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
女の執念の殘つてゐさうな櫛や
笄
(
かんざし
)
のたぐひも拾ひ出されなかつた。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
村「死ぬには
何
(
なん
)
にも入らないから
笄
(
かんざし
)
も
半纒
(
はんてん
)
も
皆
(
みん
)
な遣って仕舞います」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
峯
(
みね
)
が
雲
(
くも
)
に
日
(
ひ
)
を
刻
(
きざ
)
み、
水
(
みづ
)
が
谷
(
たに
)
に
月
(
つき
)
を
鑿
(
ほ
)
つた、
大彫刻
(
だいてうこく
)
を
眺
(
なが
)
めても、
婦
(
をんな
)
が
挿
(
さし
)
た
笄
(
かんざし
)
ほども
目
(
め
)
に
着
(
つ
)
かないで、
温泉宿
(
をんせんやど
)
へ
泊
(
とま
)
つた
翌日
(
よくじつ
)
、
以前
(
もと
)
ならば
何
(
なに
)
よりも
前
(
さき
)
に、しか/″\の
堂
(
だう
)
はないか、
其
(
それ
)
らしい
堂守
(
だうもり
)
は
居
(
ゐ
)
まいか
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
“笄”の解説
笄(こうがい、「髪掻き」の転訛)とは、髪を掻き揚げて髷を形作る装飾的な結髪用具。ただし次第に結髪後に髪を飾るものに変化した。中国由来のもので現代中国語ではジー(jī)と読む。笄は頭がかゆい時に髪型を崩さずに髪を掻く道具「髪掻 (かみかき)」からきているという説がある。
「三所物(みところもの)」と呼ばれる日本刀の大小の刀装具のひとつで、刀と一緒に持ち歩くことも多かった。
(出典:Wikipedia)
笄
漢検1級
部首:⽵
10画
“笄”を含む語句
櫛笄
笄町
花笄
笄髷
長笄
笄橋
黄金笄
冠笄
麻布笄町
銀笄
裂笄
笄蛭
笄簪
笄筥
笄町長谷寺
笄打
笄坂上
笄坂
櫛笄簪