着替きかへ)” の例文
第六 毎日まいにち一度いちど冷水ひやみづあるひ微温湯ぬるゆにて身體からだ清潔きれいぬぐひとり、肌着はだぎ着替きかへべし。入浴ふろは六七日目にちめごとなるたけあつからざるるべきこと
養生心得草 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
たえ子はお春に吩咐いひつけて着替きかへをすると、そのまゝふらりとうちを出た。たとひ良人が今夜は帰るにしても、顔を合せるのも忌々しいやうな気がしてゐた。
復讐 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
かり着替きかへぬれ着類きるゐ竿さをに掛け再び圍爐裡ゐろりはたへ來りてあたれば二日二夜のくるしみに心身しんしんともつかれし上今十分に食事しよくじを成して火にあたゝまりし事なれば自然しぜん眠氣ねふけ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
小女が「お着替きかへなさいまし」と云つて来たとき、俺は「誰が着替なんぞするものか」と心の中で叫んで、あれの帰る迄此儘に居て、「これ見ろ」と見せつけてやらう。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
着替きかへもせず居たりしはつたなき運と知られけり茲に原町の家主に平兵衞へいべゑと云ふ者あり近邊きんぺんにて評判の如才じよさいなき男にて至つて慈悲じひふかく人をあはれみけるが平生へいぜい喜八の正直なる心をかんじ何時も憫然あはれ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ためるがよい己も其中後より行んと彼の兩人の着類を剥取はぎとり惣内お里へ着替きかへさせ跡の始末は斯々と耳に口よせさゝやきつゝ暫時ちつとはやく立去れと指揮に點頭うなづき夫婦の者は先刻さつきぬすみし九助の金の遣ひ殘りを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)