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盔
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かぶと
ふりがな文庫
“
盔
(
かぶと
)” の例文
「夜来の旅人。もはや先へ行くは無用。
隴西
(
ろうせい
)
の二郡はすでに
陥
(
お
)
ちてわが手にあり、汝らも無益な戦いやめて、わが前に
盔
(
かぶと
)
を投げよ」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
それに答へて彼の銀の鯰の
盔
(
かぶと
)
の主は笑ひながら、「徳川の如き人に物を呉れ惜むものが何を仕出かし得ようや。」
努力論
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
忍びの緒を断ち
盔
(
かぶと
)
に名香を薫ぜし木村重成も亦た僅かに二十四歳で、戦死した、彼等各自の境遇から、天寿を保ち若くば病気で死ぬることすらも、耻辱なりとして戦死を急いだ
死生
(新字新仮名)
/
幸徳秋水
(著)
羽織は
猩々緋
(
しょうじょうひ
)
、
盔
(
かぶと
)
は唐冠
金纓
(
きんえい
)
なり。敵これを見て、すわや例の猩々緋よ、唐冠よとていまだ戦わざる先に敗して敢えて向い近付く者なし、ある人強いて所望して中村これを与う。
十二支考:09 犬に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
蜀兵は、抗戦に努めると見せかけながら、次第に崩れ立ち、やがて算をみだして、旗、得物、
盔
(
かぶと
)
を打ち捨て、われがちに退却した。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「羽将軍羽将軍。すでに趙累の首も打った。いつまで未練の苦戦をなし給うぞ。いさぎよく
盔
(
かぶと
)
をぬいで天命を呉に託されい」
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時に、呉の旗艦らしい一艘の
舳
(
みよし
)
に立って、海龍の
盔
(
かぶと
)
をいただいた一名の大将が、大音をあげて
魏船
(
ぎせん
)
の操縦のまずさを嘲った。
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「汝らの都督、司馬仲達の
盔
(
かぶと
)
であるぞ。先頃の敗北に、
途
(
みち
)
に取り落して、命からがら逃げおったざまの悪さといったらない」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
言葉の終った刹那、陳宮の手に引きしぼられていた弓がぷんと
弦鳴
(
つるな
)
りを放ち、矢は曹操の
盔
(
かぶと
)
の
眉庇
(
まびさし
)
にあたってはね折れた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
孫策は、近づく敵の馬蹄のひびきに、一気に相手を
屠
(
ほふ
)
ってしまおうと
焦
(
あせ
)
ったが、太史慈の手が、自分のきている
盔
(
かぶと
)
をつかんだまま離さないので
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、敵の華雄軍は、長い
竿
(
さお
)
の先に孫堅の朱い
盔
(
かぶと
)
をさしあげ、
罵詈
(
ばり
)
悪口をついて、大河の如くこれへ
襲
(
よ
)
せてくる——という伝令のことばだった。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
彼はその際
盔
(
かぶと
)
のいただきへ、
二条
(
ふたすじ
)
まで矢をうけて一度は落馬したが、すぐとび乗って、物ともせず将士の先頭に立った。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と、横なぐりに、払ったが、わずかに、馬のたてがみへ、袁術が首をちぢめたため、刃はその
盔
(
かぶと
)
にしか触れなかった。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
関羽は、士卒を走らせて、赤兎馬をそこへひかせ、
盔
(
かぶと
)
をぬいで鞍に結びつけると、青龍の偃月刀を大きく抱えて、たちまち山道を馳け降りて行った。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「——
盔
(
かぶと
)
をお
脱
(
と
)
りなさい。あなたの朱金の盔は、燦として、あまりに赤いから眼につきます。敵の
目印
(
めじるし
)
になります」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ただ、途中、林の
岐
(
わか
)
れ
途
(
みち
)
で、一個の
盔
(
かぶと
)
を拾った。
黄金
(
こがね
)
作りの美々しいもので、
紛
(
まぎ
)
れもなく敵の大都督の
戦冠
(
せんかん
)
である。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黄金の
盔
(
かぶと
)
に、紅の
戦袍
(
ひたたれ
)
を着、真っ先に進んできた大将が、鞭をあげて、曹操をさしまねきながら
揶揄
(
やゆ
)
していう。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「曹操何ものぞ。
瘡
(
きず
)
の
癒
(
い
)
えるのを待ってはいられない。すぐわしの
戦袍
(
せんぽう
)
や
盔
(
かぶと
)
をこれへ持て、陣触れをせいっ」
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
すると呂布は、何思ったか、戟の先を伸ばして曹操の
盔
(
かぶと
)
の鉢金をこつんと軽く叩いた。そして——恐らくは自分の味方の将と間違えたのだろう、こう
訊
(
たず
)
ねた。
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして、先に部落から掠奪して来た食糧を一ヵ所に集め、柴を積んで
焚火
(
たきび
)
とし、士卒たちは、
盔
(
かぶと
)
の鉢や
銅鑼
(
どら
)
を鍋に利用して穀類を
炊
(
かし
)
いだり鶏を焼いたりし始めた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盔
(
かぶと
)
や
甲
(
よろい
)
も脱いで、悠々と
阜
(
おか
)
のうえにもぐりこんでいた曹操の部下も、すこし気が気ではなくなってきた。
三国志:05 臣道の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
おめきながら割って入り、先ごろ
鍛
(
う
)
たせたばかりの丈余の
蛇矛
(
じゃぼこ
)
——
牙形
(
きばがた
)
の
大矛
(
おおぼこ
)
を先につけた長柄を舞わして、賊将程遠志の
盔
(
かぶと
)
の鉢金から馬の背骨に至るまで斬り下げた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、その陣前に馬をおどらせて、悠々、戦気を養っているひとりの大将をながめるに、獅子の
盔
(
かぶと
)
に
白銀
(
しろがね
)
の
甲
(
よろい
)
を着、長鎗を横たえて、威風ことにあたりを払ってみえる。
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
黄金の
盔
(
かぶと
)
をいただき、百
花戦袍
(
かせんぽう
)
を着、
唐猊
(
からしし
)
の鎧に、
獅蛮
(
しばん
)
の
宝帯
(
ほうたい
)
をかけ、方天戟をさげて、縦横無尽に馬上から斬りまくっている有様に——董卓は敵ながら見とれてしまい
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
朱い
盔
(
かぶと
)
、朱地
金襴
(
きんらん
)
の
戦袍
(
せんぽう
)
、
朱柄
(
あかえ
)
の槍、朱い
幟旗
(
しき
)
を揃えて、
八卦
(
はっけ
)
の
吉瑞
(
きちずい
)
にかたどって陣列を立て、その中央に、大将曹操をかこんで、一
鼓
(
こ
)
六
足
(
そく
)
、大地を踏み鳴らして入城した。
三国志:04 草莽の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
正直にいう。それがしは遂にあなたの前に
盔
(
かぶと
)
を脱ぎました。どうか今日までの非礼はおゆるしください。また、魯粛から承れば、敵地に入って敵の矢をあつめ、その十万本を
三国志:07 赤壁の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「あれあれ、あれに黄金の
盔
(
かぶと
)
をいただいたる者こそ、呉侯孫権にまぎれもない。もしあの首一つ取れば、赤壁で討たれた味方八十三万人の仇を報ずるにも足るぞ。励めや、者ども」
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
雑兵の鉄甲、
盔
(
かぶと
)
、槍、刀などもあわせて
誂
(
あつら
)
え、それも日ならずしてできてきた。
三国志:02 桃園の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
一日、途中でにわか雨にあったが、雨に濡れながらもなお巡視をつづけて来ると、彼方から一人の兵が、百姓のかぶる
箬笠
(
たけがさ
)
を持って、
盔
(
かぶと
)
の上にかざしながら、一目散に馳けてくるのを見かけた。
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
見れば、大将軍
袁紹
(
えんしょう
)
が、門旗をひらいて馬をすすめてくる。
黄金
(
こがね
)
の
盔
(
かぶと
)
に
錦袍
(
きんぽう
)
銀帯を
鎧
(
よろ
)
い、
春蘭
(
しゅんらん
)
と呼ぶ
牝馬
(
ひんば
)
の
名駿
(
めいしゅん
)
に
螺鈿
(
らでん
)
の鞍をおき、さすがに河北第一の名門たる風采堂々たるものを示しながら
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そしてその矢は、関羽の
盔
(
かぶと
)
の
纓
(
お
)
を、ぷつんと、見事に射止めていた。
三国志:08 望蜀の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「よし。ではめいめい、
合印
(
あいじるし
)
として、これを
盔
(
かぶと
)
の真向へ挿してゆけ」
三国志:09 図南の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
盔
部首:⽫
11画
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甲盔
混盔
盔甲
盔首
突盔