用心深ようじんぶか)” の例文
そのためか、あるいは、クロがりこうで、用心深ようじんぶかかったためか、ほかの野犬やけんが、いくひきもつかまえられていったのに、クロだけは、無事ぶじでありました。
青い石とメダル (新字新仮名) / 小川未明(著)
加之それに用心深ようじんぶか其神経そのしんけいは、何時いつ背負揚しよいあげて、手紙てがみさはつたわたしにほひぎつけ、或晩あるばんつまつた留守るすに、そつ背負揚しよいあげしてると、手紙てがみはもうなかにはなかつた。
背負揚 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
このはなしは一どういちじるしき感動かんどうあたへました。なかには遁出にげだしたとりさへあり、年老としとつた一かさゝぎ用心深ようじんぶかくも身仕舞みじまひして、『うちかへらう、夜露よつゆ咽喉のどどくだ!』としました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なぜなら、どんな高いところへあがっても平気なほどしっかりした気象きしょうでしたから、一番つよかったのですし、またちゃんとみちをこしらえておくほど用心深ようじんぶかかったから、一番かしこいのでした。
強い賢い王様の話 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
こう一は、すぐに、それがきもののようにかんじました。なんだか気味きみわるいものです。しかしうごきません。用心深ようじんぶかく、をこらしてちかづくと、ながあしがあって、二つのひかっています。
真昼のお化け (新字新仮名) / 小川未明(著)
かわせみさん、そこが、わたし用心深ようじんぶかいところなんですよ。だれもすぐあなのまわりに、わたしたちのきな食物しょくもつがあるとおもうでしょう。わたしが、それをらないのは、のありをかくすためです。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)