淡々あは/\)” の例文
「ふウむ」と侯爵は葉巻シガーけむよりも淡々あは/\しき鼻挨拶はなあしらひ、心は遠き坑夫より、直ぐ目の前の浜子の後姿にぞ傾くめり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
愉快ゆくわい! 電車でんしや景氣けいきよくはしす、函嶺はこね諸峰しよほうおくゆかしく、おごそかに、おもてあつしてちかづいてる! かるい、淡々あは/\しいくもおきなるうみうへたゞよふてる、かもめぶ、なみくだける
湯ヶ原より (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
をりから淡々あは/\しいつきひかり鐵窓てつさうれて、ゆかうへあみたるごと墨畫すみゑゆめのやうに浮出うきだしたのは、ふやうなく、凄絶せいぜつまた慘絶さんぜつきはみつた、アンドレイ、エヒミチはよこたはつたまゝいきころして
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
道にそふ切づまの家柿若葉生駒遠嶺は淡々あは/\と霞み
大和ぶり (新字旧仮名) / 佐佐木信綱(著)
神無月かみなづき、日は淡々あは/\
(新字旧仮名) / 末吉安持(著)