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河岸通
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かしどおり
ふりがな文庫
“
河岸通
(
かしどおり
)” の例文
毎夜
頬冠
(
ほおかむり
)
して
吉原
(
よしわら
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
をぞめいて歩くその連中と同じような身なりの男が
相
(
あい
)
も変らずその辺をぶらりぶらり歩いていたが
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
まだ十二時前なのに
河岸通
(
かしどおり
)
から横町一帯しんとして、君香の借りている二階の
窗
(
まど
)
も、下の格子戸も雨戸がしまっています。
あぢさゐ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
里昂
(
リオン
)
にあってはクロワルッスの坂道から、
手摺
(
てず
)
れた古い石の欄干を越えて眼下にソオンの
河岸通
(
かしどおり
)
を
見下
(
みおろ
)
しながら歩いた夏の
黄昏
(
たそがれ
)
をば今だに忘れ得ない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
枕橋
(
まくらばし
)
の二ツ並んでいるあたりからも、
花川戸
(
はなかわど
)
の岸へ渡る船があったが、震災後
河岸通
(
かしどおり
)
の人家が一帯に取払われて今見るような公園になってから
言問橋
(
ことといばし
)
が
架
(
か
)
けられて
水のながれ
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
池かと思うほど静止した
堀割
(
ほりわり
)
の水は
河岸通
(
かしどおり
)
に続く格子戸づくりの二階家から、正面に見える古風な
忍返
(
しのびがえし
)
をつけた黒板塀の影までをはっきり映している。丁度
汐時
(
しおどき
)
であろう。
深川の唄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
薄暗い
河岸通
(
かしどおり
)
から人通の少い裏通へ曲ると、薬屋の
窓
(
まど
)
に並べてあるものが目についたまま
立留
(
たちどま
)
って見ていた時、重吉は身近に立寄る女があるのに心づいて振返って見ると
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
福地先生の
邸
(
てい
)
はその時
合引橋
(
あいびきばし
)
手前
木挽町
(
こびきちょう
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
にて
五世音羽屋
(
ごせいおとわや
)
宅の並びにてありき。
書かでもの記
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
『
偐紫田舎源氏
(
にせむらさきいなかげんじ
)
』の
版元
(
はんもと
)
通油町
(
とおりあぶらちょう
)
の
地本問屋
(
じほんどんや
)
鶴屋
(
つるや
)
の
主人
(
あるじ
)
喜右衛門
(
きうえもん
)
は先ほどから
汐留
(
しおどめ
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
に
行燈
(
あんどう
)
を
掛
(
かけ
)
ならべた
唯
(
と
)
ある
船宿
(
ふなやど
)
の二階に
柳下亭種員
(
りゅうかていたねかず
)
と名乗った
種彦
(
たねひこ
)
門下の若い
戯作者
(
げさくしゃ
)
と二人ぎり
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
足の向き次第あちらこちらと歩き廻って、大分つかれた時分、
京橋
(
きょうばし
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
が向うの方に見渡される裏通り。両側ともカッフェーばかり並んでいる中に、やっと募集の貼出しを見つけた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
川添いの町の路地は折々
忍返
(
しのびがえ
)
しをつけたその出口から遥に
河岸通
(
かしどおり
)
のみならず、併せて橋の欄干や過行く荷船の帆の一部分を望み得させる事がある。かくの如き光景はけだし逸品中の逸品である。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
表の
河岸通
(
かしどおり
)
には日暮と共に吹起る
空
(
から
)
ッ
風
(
かぜ
)
の音が聞え出すと、妾宅の障子はどれが動くとも知れず、ガタリガタリと妙に気力の抜けた陰気な音を響かす。その度々に寒さはぞくぞく
襟元
(
えりもと
)
へ
浸
(
し
)
み入る。
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
雑誌『三田文学』を発売する
書肆
(
しょし
)
は
築地
(
つきじ
)
の
本願寺
(
ほんがんじ
)
に近い処にある。
華美
(
はで
)
な
浴衣
(
ゆかた
)
を着た女たちが大勢、殊に夜の十二時近くなってから、草花を買いに出るお
地蔵
(
じぞう
)
さまの
縁日
(
えんにち
)
は
三十間堀
(
さんじっけんぼり
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
にある。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
当時籾山書店は
祝橋向
(
いわいばしむこう
)
の
河岸通
(
かしどおり
)
から
築地
(
つきじ
)
の電車通へ出ようとする
静
(
しずか
)
な
横町
(
よこちょう
)
の南側(築地二丁目十五番地)にあって
専
(
もっぱ
)
ら
俳諧
(
はいかい
)
の書巻を刊行していたのであるが拙著『すみだ川』の出版を手初めに以後六
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
三十間堀の
河岸通
(
かしどおり
)
には昔の船宿が二、三軒残っている。
銀座
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
頬冠
(
ほおかむり
)
の人
肌寒
(
はださむ
)
げに
懐手
(
ふところで
)
して三々五々
河岸通
(
かしどおり
)
の
格子外
(
こうしそと
)
を
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
河
常用漢字
小5
部首:⽔
8画
岸
常用漢字
小3
部首:⼭
8画
通
常用漢字
小2
部首:⾡
10画
“河岸”で始まる語句
河岸
河岸縁
河岸店
河岸端
河岸筋
河岸並
河岸伝
河岸倉
河岸地
河岸山