くま)” の例文
まし種々いろ/\に手をかへいひよるゆゑをつと喜八と申者あるうちは御心に從ひては女の道たち申さずと一すんのがれに云拔いひぬけけるを或時粂之進ちやくま持來もちきたる其手をらへ是程までに其方を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
若水といふ事は去年こぞ御生気の方の井をてんして蓋をして人にくませず、春立つ日主水司もんどのつかさ内裏だいりに奉れば朝餉あさがれいにてこれをきこしめすなり、荒玉の春立つ日これを奉れば若水とは申すにや云々
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
持て來し國土産くにみやげと心もあつ紙袋かみぶくろ蕎麥粉そばこ饂飩粉うどんこ取揃とりそろへ長庵の前へ差出せば然もうれしげに禮をのべの中にあつらおきさけさかな居間ゐまならべサア寛々ゆる/\と久しぶりにて何は無とも一こんくまんと弟十兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
くませんとなし其せつに此眞向まむかひの棟割長家むねわりながや建續たてつゞけたる其中にも一そうきたな荒果あれはていと小狹せうけふなる家の中に五十四五なる老人一個ひとり障子一枚押開おしひら端近はしちかふ出物の本を繰廣くりひろげ見てゐたりしが今長三郎が手を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)