格子門かうしもん)” の例文
唯何事も耻かしうのみ有けるに、或る霜の朝水仙の作り花を格子門かうしもんの外よりさし入れ置きし者の有けり、れの仕業と知るよし無けれど
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
たゞ何事なにごとはづかしうのみありけるに、しもあさ水仙すいせんつくばな格子門かうしもんそとよりさしきしものありけり、れの仕業しわざるよしけれど
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
通らでも事は済めども言はば近道の土手々前どてでまへに、仮初かりそめ格子門かうしもん、のぞけば鞍馬くらま石燈籠いしどうろはぎ袖垣そでがきしをらしう見えて、椽先ゑんさきに巻きたるすだれのさまもなつかしう
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
後刻のち學校がくかうはうぜの約束やくそく信如しんによ田町たまちあねのもとへ、長吉ちようきち我家わがやかたへと行別ゆきわかれるにおもひのとゞまる紅入べにいり友仙ゆうぜん可憐いぢらしき姿すがたむなしく格子門かうしもんそとにととゞめぬ。
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
信如しんによ何時いつ田町たまちかよときとほらでもことめどもはゞ近道ちかみち土手々前どてゝまへに、假初かりそめ格子門かうしもん、のぞけば鞍馬くらま石燈籠いしどうろはぎ袖垣そでがきしをらしうえて、縁先ゑんさききたるすだれのさまもなつかしう
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)