東隣ひがしどなり)” の例文
さうして東隣ひがしどなりからりてござが五六まいかれた。それから土地とち習慣しふくわん勘次かんじきよめてやつたおしな死體したいは一さい近所きんじよまかせた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
そして和泉橋を南へ渡って、少し東へかたよって行く通が、東側は弁慶橋、西側は松枝町になっている。この通の東隣ひがしどなりの筋は、東側が元柳原町、西側が弁慶橋になっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
信仰ある、而して流石さすがに武士の子らしいたしなみです。下曾根さんは私共の東隣ひがしどなりの墓地に葬られました。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しなおもて大戸おほどけさせたときがきら/\と東隣ひがしどなりもりしににはけてきつかりと日蔭ひかげかぎつてのこつたしもしろえてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
小さな墓場一つ隔てた東隣ひがしどなりの石山氏の親類だと云ううちのおかみが、むしろを二枚貸してくれ、土瓶の茶や漬物のどんぶりを持て来てくれたので、彼等は莚の上にすわって、持参の握飯を食うた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
しか方法はうはふもないのでかれ地主ぢぬし哀訴あいそして小作米こさくまい半分はんぶんつぎあきまでしてもらつた。地主ぢぬし東隣ひがしどなり舊主人きうしゆじんであつたのでそれも承諾しようだくされた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)