本氣ほんき)” の例文
新字:本気
「あなたは眞面目まじめでゐらつしやいますか? 本當に私を愛してゐらつしやるのですか? 本氣ほんきで私に妻になつて欲しいと思つてゐらつしやるのですか?」
今度こんだおればんかもれない」とことがあつた。御米およねはそれを冗談じようだんともき、また本氣ほんきともいた。まれにはかくれた未來みらい故意こい不吉ふきつ言葉ことばとも解釋かいしやくした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
親父おやぢさんいたくちふさがらない。暫時しばら我兒わがこかほつめて居たが『それはおまへ本氣ほんきか。』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
昨日きのふきみ逆上のぼせられたのちわたしはハヾトフとながいこと、きみのことを相談さうだんしましたがね、いやきみ此度こんど本氣ほんきになつて、病氣びやうき療治れうぢたまはんとかんです。わたし友人いうじんとしてなに打明うちあけます。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
乳母 はい、本氣ほんきでも本心ほんしんでもござります、でなくばばちたれ!
ベシーは奧さまが正氣でゐらつしやるのか、そのお言葉が本氣ほんきかどうだか、はつきりしなかつたのです。
本氣ほんきだよ親父おとつさん! ラクダルさんのやうにわたし怠惰屋なまけやになるのだ。』
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
ヂュリ そりや其方そなた本氣ほんきやるか?
しかし若し本氣ほんきでさう云ふのなら、街へ行つてる間に、結婚してる傳道者でその奧さんが助手を求めてる人に話してあげよう。あなたの財産なら、會の補助金なしでやつて行けるだらう。