旅亭やどや)” の例文
じつくもつかむやうなはなしだが、まんが一もと旅亭やどや主人しゆじんんでいてると、果然くわぜん! 主人しゆじんわたくしとひみなまではせず、ポンと禿頭はげあたまたゝいて
いかにも君の言われる通り、今の世中は旅亭やどやの食物も改良せねばならず、料理屋の食物も改良せねばならんが、それよりも第一に改良してもらいたいのが病院の食物だね。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
大概の物はみんな鞄へ納れて此の旅亭やどやへ預けて置きましたから何も有りません、岡村由兵衞の枕元へ参って見ると煙草入が一個ひとつ有りました、これをも盗んでわが腰へ差そうとする途端に
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
旅亭やどや禿頭はげあたまをしへられたやうに、人馬じんば徃來ゆきゝしげ街道かいだう西にしへ/\とおよそ四五ちやうある十字街よつかどひだりまがつて、三軒目げんめ立派りつぱ煉瓦造れんぐわづくりの一構ひとかまへ
それから旅亭やどやへ着くと夜具蒲団やぐふとんからぜんわんさら小鉢こばちまで一として危険ならざるはなし。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ま、ま、おちなさい、おちなさい、いまから旅亭やどやかへつたとてなにになります。ひさしぶりの面會めんくわいなるを今日けふほどかたつて今夜こんや御出發ごしゆつぱつ是非ぜひわたくしいへより。