ぞん)” の例文
「ああ、ばかなほねおりぞんをしてしまった。」といって、いまいましそうに、もずは、くちばしをえだでふいていました。
もずとすぎの木 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おふじは腰巻きのぬらしぞんをしてしまったけれど、そのついでに火を起こしたから、鉄瓶の湯が早く煮立った。
水籠 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
伝十郎も口惜くやしがったが、取り分けて甚七は残念がった。彼は宵の恥辱をすすごうとして、火縄をむやみに振って駈けまわったが、結局くたびれぞんに終った。
馬妖記 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
「そう?」妻は自分の夫もだまされているのだと思ってきまりが悪くなったが、すぐ気を変えて、冷かし半分に、「可哀そうに、貰ったと思ったら、おおぞんをした、わ、ね」
耽溺 (新字新仮名) / 岩野泡鳴(著)
「どうもさっぱりに落ちませんが、おそらく骨折ほねおぞんのくたびれもうけでございましょう」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこへバラバラと警官と刑事とが駈けつけたので、帆村は間違われて二つ三つ蹴られぞんをしただけで助かった。彼が手に入れたものは一巻のフィルムだった。それも十六ミリの小さいものだった。
赤外線男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
屋内酒樽さけだるのあるあらばきはめてめうなれども、若し之なくんば草臥くたびぞんなりと、つひに帰路をりて戸倉にいたるにけつす、一帯の白砂はくさおはれば路は戸倉峠につらなる、峠のたかさ凡そ六千呎、路幅みちはばわづかに一尺
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
させるおとがめもなく切りどく切られぞんとなりました。
主人しゅじんは、まゆをひそめて、子細しさいかね検分けんぶんしましたが、もうふるてつは、ぼろぼろになっていて、なんのやくにもたちそうでなく、まったく自分じぶんの、くたびれぞんわったことをりました。
ひすいを愛された妃 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「立てたら骨折りぞんになるからなあ」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
けっきょく、おとこは、ほねおりぞんわったわけです。
ある男と無花果 (新字新仮名) / 小川未明(著)