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揚板
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あげいた
ふりがな文庫
“
揚板
(
あげいた
)” の例文
とずうと本堂の方へ引摺って
行
(
ゆ
)
きまして、居間から直ぐ
傍
(
わき
)
の本堂の前の畳を二畳上げて、
揚板
(
あげいた
)
を払って明けるから海禪驚きまして
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
惜し気もなく散る
彼岸桜
(
ひがんざくら
)
を誘うて、
颯
(
さっ
)
と吹き込む風に驚ろいて眼を
覚
(
さ
)
ますと、
朧月
(
おぼろづき
)
さえいつの
間
(
ま
)
に差してか、
竈
(
へっつい
)
の影は斜めに
揚板
(
あげいた
)
の上にかかる。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
うなぎやの親方は、私の父に
揚板
(
あげいた
)
の下の
鰻
(
うなぎ
)
を見せて、あらいのを
笊
(
ざる
)
にあげて裂いた。父は表二階で
盃
(
さかずき
)
を重ねはじめた。
旧聞日本橋:21 議事堂炎上
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
炭俵
(
すみだわら
)
に入れられて、一日
揚板
(
あげいた
)
の下へ
押
(
お
)
し
込
(
こ
)
められた事があったッて君は云っていた事があったが、前の男の気持ちだって、何だか僕にはだんだん
解
(
わか
)
って来たよ
魚の序文
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
と笑いながら、今一つの爆弾を
揚板
(
あげいた
)
の下から取出して導火線に火を
点
(
つ
)
けた。それを頭の上に差し上げて
爆弾太平記
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
▼ もっと見る
しかしきちんと片付いている台処の様子を始め、そのあたりにも血の流れている様子は見えないので、重吉はやや安心して
流口
(
ながしぐち
)
へ
進入
(
すすみい
)
り
揚板
(
あげいた
)
の上に半身を
伸
(
のば
)
して、再び
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
今この
三田
(
みた
)
の屋敷の門を
這入
(
はいっ
)
て右の方にある塾の家は、明治初年私の住居で、その
普請
(
ふしん
)
をするとき、私は大工に命じて家の
床
(
ゆか
)
を少し高くして、押入の処に
揚板
(
あげいた
)
を
造
(
つくっ
)
て
置
(
おい
)
たと云うのは
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
静かな声は落ついた春の調子を乱さぬほどに
穏
(
おだやか
)
である。幅一尺の
揚板
(
あげいた
)
に、
菱形
(
ひしがた
)
の黒い穴が、
椽
(
えん
)
の下へ抜けているのを
眺
(
なが
)
めながら取次をおとなしく待つ。返事はやがてした。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「歩いて来るともう暑い。黒ビールか何か
貰
(
もら
)
おうよ。」と清岡進は抱えていた新刊雑誌と新聞紙とをテーブルの下の
揚板
(
あげいた
)
に押入れ、新しい
鼠色
(
ねずみいろ
)
の
中折帽
(
なかおれぼう
)
をぬいで造花の枝にかけた。
つゆのあとさき
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
商人
(
あきんど
)
の店先は
揚板
(
あげいた
)
になって居て
薄縁
(
うすべり
)
が敷いてある、それへ踏掛けると天命とは云いながら、何う云う
機
(
はず
)
みか揚板が
外
(
はず
)
れ、
踏外
(
ふみはず
)
して薄縁を
天窓
(
あたま
)
の上から
冠
(
かぶ
)
ったなりどんと又市は揚板の下へ落ちる
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いよいよ陰士とすれば早く
尊顔
(
そんがん
)
を拝したいものだ。陰士は今や勝手の上に大いなる泥足を上げて
二足
(
ふたあし
)
ばかり進んだ模様である。三足目と思う頃
揚板
(
あげいた
)
に
蹶
(
つまず
)
いてか、ガタリと
夜
(
よる
)
に響くような音を立てた。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
揚
常用漢字
中学
部首:⼿
12画
板
常用漢字
小3
部首:⽊
8画
“揚”で始まる語句
揚
揚句
揚屋
揚子江
揚足
揚羽
揚々
揚物
揚場
揚幕