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捷径
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ちかみち
ふりがな文庫
“
捷径
(
ちかみち
)” の例文
旧字:
捷徑
不気味に
凄
(
すご
)
い、魔の小路だというのに、
婦
(
おんな
)
が一人で、湯帰りの
捷径
(
ちかみち
)
を
怪
(
あやし
)
んでは
不可
(
いけな
)
い。……実はこの小母さんだから通ったのである。
絵本の春
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
竜神より上山路村を東へ越す
捷径
(
ちかみち
)
、センブ越えを越す途上、私は途中で殺され、面皮を剥いで谷へ投げられ、金は全部取られた。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
わたくしのアパートは、戸塚三丁目にあるので、新宿から歩きだすと、途中で戸山ッ原のさびしい地帯を横断して帰るのが一等
捷径
(
ちかみち
)
であった。
第四次元の男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
未亡人種子の行動を探るには、その
跡
(
あと
)
をつけたり何かするよりは、専業の秘密探偵に依頼してその身元から調べ上げてもらうのが一番
捷径
(
ちかみち
)
であろう。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
丹治はもう山におるのが
厭
(
いや
)
になった。そこから向うの
渓
(
たに
)
へ降りる
捷径
(
ちかみち
)
が
岐
(
わか
)
れている。丹治は銃を
引担
(
ひっかつ
)
いでその
径
(
みち
)
の方へ往きかけた。鶴は動かなかった。
怪人の眼
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
▼ もっと見る
これは、もとより片方しか無かつた鐙を、深草で値を付けさせて置いて、
捷径
(
ちかみち
)
のまはり道をして同じ其鐙を京橋の他の店へ埋めて置いて金八に掘出させたのだ。
骨董
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
宗助は腹の中で、
昨夕
(
ゆうべ
)
のように
当途
(
あてど
)
もない
考
(
かんがえ
)
に
耽
(
ふけ
)
って脳を疲らすより、いっそその道の書物でも借りて読む方が、要領を得る
捷径
(
ちかみち
)
ではなかろうかと思いついた。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
土人の好意を利用して彼ら
亜細亜
(
アジア
)
人の海賊どもは
捷径
(
ちかみち
)
を撰んで奥地に分け入り、我々よりも一足先に宝庫の発見をとげはしないか? ——これがラシイヌ達の心配であった。
沙漠の古都
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
但しは無慈悲を通す気か、気違だの騙りだのと人に
悪名
(
あくみょう
)
を付けて
帰
(
けえ
)
って行くような
酷
(
むご
)
い親達から、金なんぞ貰う因縁が無えから、
先刻
(
さっき
)
の五十両を
返
(
けえ
)
そうと
捷径
(
ちかみち
)
をして
此処
(
こゝ
)
に待受け
名人長二
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
電車は大阪神戸といつたやうな、二つの都市の最も速い交通機関であるのみならず、また地獄への
捷径
(
ちかみち
)
である事をも知つてゐる小林氏は、電車ほど人生にとつて必要なものは無いと信じてゐる。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その資金の調達には夜盗が一番
捷径
(
ちかみち
)
だが、押込みの方は浪士が隊を組んでいるから自分は一つ単独行動に辻斬と出かけてやれ、それも盗賊改めが厳しいので、駕籠でも担いで夜の街を歩きまわり
早耳三次捕物聞書:01 霙橋辻斬夜話
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
三途まで奈落へ
堕
(
だ
)
して、……といって、自殺をするほどの覚悟も出来ない
卑怯
(
ひきょう
)
ものだから、
冥途
(
めいど
)
へ
捷径
(
ちかみち
)
の焼場人足、
死人焼
(
しびとやき
)
になって、
胆
(
きも
)
を鍛えよう。
卵塔場の天女
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
これは、もとより片方しかなかった鐙を、深草で値を付けさせて置いて、
捷径
(
ちかみち
)
のまわり道をして同じその鐙を京橋の他の店へ埋めて置いて金八に掘出させたのだ。
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
そこから、桃枝の家までは五丁ほどで、大した
道程
(
みちのり
)
ではなかった。彼は
捷径
(
ちかみち
)
をして歩いてゆくつもりで、通りに出ると、直ぐ左に折れて、
田中町
(
たなかまち
)
の方へ足を向けた。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「それよりあなた御自分で奥さんをお
貰
(
もら
)
いになるのが、一番
捷径
(
ちかみち
)
じゃありませんか」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
終始
(
しょっちゅう
)
その
捷径
(
ちかみち
)
を往来している道夫は、そこに桑畑のあることは知らなかった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
私の居た
畷
(
なわて
)
へ入って来たその二人は、
紋着
(
もんつき
)
のと、セルの
袴
(
はかま
)
で。……田畝の向うに
一村
(
ひとむら
)
藁屋
(
わらや
)
が並んでいる、そこへ
捷径
(
ちかみち
)
をする、……
先乗
(
さきのり
)
とか云うんでしょう。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
そこは——学校の傍から——町へおりる
捷径
(
ちかみち
)
であった。
馬の顔
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
捷
漢検準1級
部首:⼿
11画
径
常用漢字
小4
部首:⼻
8画
“捷”で始まる語句
捷
捷報
捷利
捷徑
捷路
捷利者
捷業
捷平
捷敏
捷早