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憂世
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うきよ
ふりがな文庫
“
憂世
(
うきよ
)” の例文
花鳥風月に遊ぶという事も、俳諧に遊ぶという事も、風月に神を破り花鳥に心を労するということも畢竟
憂世
(
うきよ
)
を背景にしていうことである。
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
定めとてもない漂泊の旅に転々として
憂世
(
うきよ
)
をかこちがちな御面師が、次第に自分の名前にまでも
呪咀
(
じゅそ
)
を覚えたというのが、漠然ながら私も同感されて見ると
鬼涙村
(新字新仮名)
/
牧野信一
(著)
公儀の
八釜
(
やかま
)
しい
憂世
(
うきよ
)
を三分五厘に
洒落
(
しゃれ
)
飛ばし、
上
(
かみ
)
は国政の不満から、
下
(
しも
)
は
閨中
(
けいちゅう
)
の
悶々事
(
もんもんじ
)
に到るまで、他愛もなく笑い散らして死中に活あり、活中死あり、枯木に花を咲かせ
近世快人伝
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
二人で
饑
(
う
)
えても離れて心配するよりいいというような泡鳴からの手紙を読むと、想思の人が東西を離れるようになるとは、ほんとに
憂世
(
うきよ
)
ではあるといい、苦労をともにする人は
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
何卒
(
なにとぞ
)
余所
(
よそ
)
ながらも
承
(
うけたま
)
はり
度
(
たく
)
存上候
(
ぞんじあげさふらふ
)
は、長々
御信
(
おんたより
)
も無く居らせられ候
御前様
(
おんまへさま
)
の
是迄
(
これまで
)
如何
(
いか
)
に
御過
(
おんすご
)
し
被遊候
(
あそばされさふらふ
)
や、さぞかし
暴
(
あら
)
き
憂世
(
うきよ
)
の波に
一方
(
ひとかた
)
ならぬ
御艱難
(
ごかんなん
)
を
遊
(
あそば
)
し候事と、思ふも
可恐
(
おそろし
)
きやうに
存上候
(
ぞんじあげさふらふ
)
を
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
▼ もっと見る
親たる父に
未
(
ま
)
だ孝の道も
尽
(
つく
)
さずして先だつ不孝は
幾重
(
いくえ
)
にも済まぬがわたしは一刻も早くこの苦しい
憂世
(
うきよ
)
を去りたい、
妾
(
わたし
)
の死せる
後
(
のち
)
はあの夫は、あんな人
故
(
だから
)
死後の事など何も
一切
(
いっせつ
)
関
(
かま
)
わぬ事でしょう
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
それが
氣懸
(
きがゝ
)
りゆゑ、
俺
(
おれ
)
ゃもう
決
(
けっ
)
して
此
(
この
)
暗
(
やみ
)
の
館
(
やかた
)
を
離
(
はな
)
れぬ。
卿
(
そなた
)
の
侍女
(
こしもと
)
の
蛆共
(
うじども
)
と一しょに
俺
(
おれ
)
ゃ
永久
(
いつまで
)
も
此處
(
こゝ
)
にゐよう。おゝ、
今
(
いま
)
こゝで
永劫安處
(
えいがふあんじょ
)
の
法
(
はふ
)
を
定
(
さだ
)
め、
憂世
(
うきよ
)
に
饜
(
あ
)
き
果
(
は
)
てた
此
(
この
)
肉體
(
からだ
)
から
薄運
(
ふしあはせ
)
の
軛
(
くびき
)
を
振落
(
ふりおと
)
さう。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
沖釣の宵の夜ふけの
漁火
(
いさりび
)
の繁く遥るけき
憂世
(
うきよ
)
なるかも
海阪
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
憂
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
“憂世”で始まる語句
憂世子