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愛憎
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あいぞう
ふりがな文庫
“
愛憎
(
あいぞう
)” の例文
ことに人に対して
愛憎
(
あいぞう
)
の念が起こる時は、いっそう注意してその人の性質の善悪や人格の高下等を批評することを
慎
(
つつし
)
まねばならぬ。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
そこには
愛憎
(
あいぞう
)
の差別はなかった、すべて平等に日の光と微風との幸福に浴していた。しかし——しかし彼は人間であった。
素戔嗚尊
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
生存は
相殺
(
そうさつ
)
である。自然は
偏倚
(
へんい
)
を
容
(
ゆる
)
さぬ。
愛憎
(
あいぞう
)
は我等が宇宙に
縋
(
すが
)
る二本の手である。好悪は人生を歩む左右の脚である。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
彌子
(
びし
)
の
行
(
おこなひ
)
未
(
いま
)
だ
初
(
はじめ
)
に
變
(
かは
)
らざるに、
前
(
まへ
)
には
賢
(
けん
)
とせられて、
後
(
のち
)
には
罪
(
つみ
)
を
獲
(
う
)
る
者
(
もの
)
は、
(一〇九)
愛憎
(
あいぞう
)
の
至變
(
しへん
)
也
(
なり
)
。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
物事に対する
愛憎
(
あいぞう
)
は多い方である。手廻りの道具でも気に入ったの、
嫌
(
きら
)
いなのが多いし、人でも言葉つき、態度、仕事の
遣
(
や
)
り
口
(
くち
)
などで好きな人と嫌いな人がある。
文士の生活:夏目漱石氏-収入-衣食住-娯楽-趣味-愛憎-日常生活-執筆の前後
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
伯姫から云えば、現衛侯
輒
(
ちょう
)
は
甥
(
おい
)
、位を窺う前太子は弟で、親しさに変りはないはずだが、
愛憎
(
あいぞう
)
と利慾との複雑な
経緯
(
けいい
)
があって、妙に弟のためばかりを計ろうとする。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
武家の年寄らしくない、飾りつ氣のない
愛憎
(
あいぞう
)
を、平次はこの老女から感ずるのでした。
銭形平次捕物控:078 十手の道
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
そういう時には多く道理を
以
(
もっ
)
て判断せずして感情を以て
愛憎
(
あいぞう
)
を
肆
(
ほしいまま
)
にします。感情を肆にする結果が恋愛という過失に
陥
(
おちい
)
って自ら不幸の運命を作り出します。それではどうしたらいいでしょう。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
現実に住み飽きてしまったり、現実の
粗暴
(
そぼう
)
野卑
(
やひ
)
に
愛憎
(
あいぞう
)
をつかしたり、あまりに精神の
肌質
(
きめ
)
のこまかいため、現実から追い捲くられたりした生きものであって、死ぬには、まだ生命力があり過ぎる。
金魚撩乱
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
されば何事も自己の
愛憎
(
あいぞう
)
に走りて
囚徒
(
しゅうと
)
を取り扱うの道を知らず。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
身は一
見
(
けん
)
独立のごとくして、心は
娼妓
(
しょうぎ
)
よりもなお独立なく他人に依頼し、しかも他人の
愛憎
(
あいぞう
)
によりその日を送れるものが
多々
(
たた
)
ありはせぬか。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
故
(
ゆゑ
)
に
主
(
しゆ
)
に
愛
(
あい
)
せらるれば
則
(
すなは
)
ち
知
(
ち
)
當
(
あた
)
りて
親
(
しん
)
を
加
(
くは
)
へ、
主
(
しゆ
)
に
憎
(
にく
)
まるれば
則
(
すなは
)
ち
(一一〇)
罪
(
つみ
)
當
(
あた
)
りて
疏
(
そ
)
を
加
(
くは
)
ふ。
故
(
ゆゑ
)
に
諫説
(
かんぜい
)
の
士
(
し
)
は、
(一一一)
愛憎
(
あいぞう
)
の
主
(
しゆ
)
を
察
(
さつ
)
して
而
(
しか
)
る
後
(
のち
)
之
(
これ
)
に
説
(
と
)
かざる
可
(
べ
)
からざるなり。
国訳史記列伝:03 老荘申韓列伝第三
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
失敬ながら君のことはいかなる事があったか知らぬが、よし新聞等に二、三回掲げられたことがあっても、僕ら別に耳にしたこともないし、したがって君に対して
愛憎
(
あいぞう
)
の念も何もない。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
“愛憎”の意味
《名詞》
(あいぞう)愛(いつく)しみと憎(にく)しみ。愛(め)でることと憎(にく)むこと。特に相手に対して好悪の感情を抱くこと。
(あいそ)愛想。
(出典:Wiktionary)
愛
常用漢字
小4
部首:⼼
13画
憎
常用漢字
中学
部首:⼼
14画
“愛憎”で始まる語句
愛憎尽