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意気地
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いくぢ
ふりがな文庫
“
意気地
(
いくぢ
)” の例文
旧字:
意氣地
小児
(
せうに
)
の如くタワイなく、
意気地
(
いくぢ
)
なく、
湾白
(
わんぱく
)
で、ダヾをこねて、
遊
(
あそ
)
び
好
(
ずき
)
で、
無法
(
むはふ
)
で、
歿分暁
(
わからずや
)
で、
或時
(
あるとき
)
はお
山
(
やま
)
の
大将
(
たいしやう
)
となりて
空威張
(
からゐばり
)
をし
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
『高柳の話なぞを聞かなければ格別、聞いて、知つて、黙つて帰るといふことは、新平民として余り
意気地
(
いくぢ
)
が無さ過ぎるからねえ』
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
このくらゐの
柿
(
かき
)
の木に登れないやうな、
意気地
(
いくぢ
)
のない大人なんかに、イザといふ時に何が出来よう、といふやうな気がして来るのでした。
かぶと虫
(新字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
かういふ時に、こんな
意気地
(
いくぢ
)
のないところを見せてはと、歯を喰ひしばるやうにしても、いつたん緩んだ気持は、もう取り押へやうがなかつた。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
(あゝ、
意気地
(
いくぢ
)
はございませんねえ。
足駄
(
あしだ
)
では
無理
(
むり
)
でございませう、
是
(
これ
)
とお
穿
(
は
)
き
換
(
か
)
へなさいまし、あれさ、ちやんといふことを
肯
(
き
)
くんですよ。)
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
▼ もっと見る
私の
意気地
(
いくぢ
)
ないことを叱る様な
亡母
(
はゝ
)
の声が聞えるぢやありませんか、あゝ
寧
(
いつ
)
そ死んだならば、
斯様
(
こんな
)
不愉快な苦境から脱れることが出来ようなどと
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
「しようがないのね。
意気地
(
いくぢ
)
がないのね。貴方、可笑しいでせう?」
涙顔
(
るいがん
)
を拭きもせずそのまゝで笑つて
時子
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
鶴と家鴨とを
食
(
くら
)
へるが故に、東京市民を獣心なりと云ふは、——
惹
(
ひ
)
いては一切人間を
禽獣
(
きんじう
)
と選ぶことなしと云ふは、
畢竟
(
ひつきやう
)
意気地
(
いくぢ
)
なきセンテイメンタリズムのみ。
大正十二年九月一日の大震に際して
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
そして
通
(
とほ
)
りがゝりの成るべく
汚
(
きたな
)
い車、
成
(
な
)
るべく
意気地
(
いくぢ
)
のなさゝうな車夫を
見付
(
みつ
)
けて
恐
(
おそ
)
る/\
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
けれども相手が
何時
(
いつ
)
でもあゝ
出
(
で
)
るとすると、教育を受けた自分には、あれより
外
(
ほか
)
に受け様がないとも思はれる。すると無暗に女に近付いてはならないと云ふ訳になる。何だか
意気地
(
いくぢ
)
がない。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして、自分ながら
意気地
(
いくぢ
)
なく、明日からまた気をとり直して、みつしり働かうといふ
料簡
(
れうけん
)
になるのであつた。此の料簡は今から二年前、彼が此波止場へ着いた時の心持と
稍々
(
やゝ
)
同じ者である。
煤煙の匂ひ
(新字旧仮名)
/
宮地嘉六
(著)
田村の奴は俺が内心こんな苦悩をもつてゐると知つてか知らずでか、とにかく、俺を
意気地
(
いくぢ
)
なしにしてしまつた。首が一つしかないからお前はこはかつたんだらうとほざいた。
口惜
(
くや
)
しいが
為方
(
しかた
)
がない。
畜生道
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
お前に
餒
(
ひもじ
)
い思を為せるやうな、そんな
意気地
(
いくぢ
)
の無い男でもない。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
「栄ちやん、御免なさいよ、すこし横に成るから——
草臥
(
くたび
)
れたやら、眠いやらで。『
意気地
(
いくぢ
)
が無いね』なんて、兄さんに笑はれちやつた。」
出発
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
「あんたは、だれ? え、だれなのさ」……わたくしは、たゞ、さう呻きつゞけました。
意気地
(
いくぢ
)
のないことでございました。でも、外に、どうしやうもございません。
顔
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
奥様
(
おくさん
)
勿体ないこと、奥様の信仰の堅くて
在
(
い
)
らつしやいますことは、
良人
(
やど
)
が
毎々
(
つねづね
)
御噂申上げるので御座いましてネ、お前などはホンとに
意気地
(
いくぢ
)
が無くて
可
(
い
)
けないツて、貴女
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
唯、私は私の愚を笑ひながら、しかもその愚に恋恋たる私自身の
意気地
(
いくぢ
)
なさを憐れまずにはゐられないのである。或は私自身と共に意気地ない一般人間をも憐れまずにはゐられないのである。
澄江堂雑記
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
何卒
(
どうか
)
して市村君のものに為て遣りたい。高柳の話なぞを聞かなければ格別、聞いて、知つて、黙つて帰るといふことは、新平民として余り
意気地
(
いくぢ
)
が無さ過ぎるからねえ。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
さうで御座いますよ、——何の
蚊
(
か
)
のと
角
(
かど
)
ばつたことは申しますがネ、もう/\女の言ふなり次第なものです、考へて見ると世の中に、男ほど
意気地
(
いくぢ
)
の無いものは御座いませんのねエ
火の柱
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
おやおや、何処が? うそよ、とても
意気地
(
いくぢ
)
がないのよ。
双面神
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
“意気地”の意味
《名詞》
(いくじ)物事をやり通そうとする気力。
(いきじ)いくじに同じ。いくじはいきじが変化。
(出典:Wiktionary)
意
常用漢字
小3
部首:⼼
13画
気
常用漢字
小1
部首:⽓
6画
地
常用漢字
小2
部首:⼟
6画
“意気地”で始まる語句
意気地無