トップ
>
必
>
きっ
ふりがな文庫
“
必
(
きっ
)” の例文
君なぞも、もっと年をとってみ給え、
必
(
きっ
)
と我輩の言うことで思い当ることが有るから……我輩はソクラテスで感心してることが有る。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
それに聞けば課長さんの
所
(
とこ
)
へも
常不断
(
じょうふだん
)
御機嫌伺いにお出でなさるという
事
(
こっ
)
たから、
必
(
きっ
)
とそれで
此度
(
こんど
)
も善かッたのに違いないヨ。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
すれば、
必
(
きっ
)
といくら遅くても帰つて来る。帰つて来ると思へばまた、瞬間でも多少の波瀾を想像しただけに、却てそれが物足らないやうでもある。
脱殻
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
犬では何と言って慰めて
宜
(
い
)
いか見当が付かないので、「犬なんてものは
何処
(
どっ
)
かへ行ってしまったと思うと、飛んでもない時分に戻って来るもんだ。今に
必
(
きっ
)
と帰って来るよ、」
二葉亭余談
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
「いつかそういうことになる、そうなるときが
必
(
きっ
)
と来る、矢っ張そうは思っておりましたが、
真逆
(
まさか
)
こんなに早く、こうまで急にそうなろうとは。——思うと、矢っ張、夢のような気がいたします。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
▼ もっと見る
そして、その、万善の策を採って衝突を免れ、その為め入港を遅らせた十人に一人の船長があったとしたら、
必
(
きっ
)
と彼は船客の時間を空費し会社の記録を傷つけたものとして非難の的となるに相違ない。
運命のSOS
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
この人が来る時は、よく私に物を
携
(
も
)
って来てくれました。この人が帰って
去
(
い
)
った後で、爺さんは
必
(
きっ
)
と白銅を一つ握っておりました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「アハハハ
其奴
(
そいつ
)
は大笑いだ……しかし可笑しく思ッているのは鍋ばかりじゃア有りますまい、
必
(
きっ
)
と
母親
(
おっか
)
さんも……」
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「あの人は今に
必
(
きっ
)
と働くだらう。そしたらわたしの著物だつてきつと快く買つて下さる!」
散歩
(新字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
姑
(
しゅうとめ
)
と嫁とが一緒に成って、国の方の話を始めると、
必
(
きっ
)
と
終
(
しまい
)
には両方で泣いて了う。二人は互に顔を合せているのも
苦
(
くるし
)
かった。
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
昨夜
(
ゆうべ
)
もアレから下へ降りて、本田さんがアノー『
慈母
(
おっか
)
さんが
聞
(
きく
)
と
必
(
きっ
)
と
喧
(
やか
)
ましく言出すに違いない、そうすると僕は何だけれどもアノ内海が困るだろうから黙ッていてくれろ』
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「へえ、蘭から習わせるネ」と三吉も開けてみて、「西洋画とは大分
方法
(
やりかた
)
が違うナ——お俊ちゃんは
好
(
すき
)
だから、
必
(
きっ
)
と描けるように成りましょう」
家:01 (上)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし私の時には
定屋
(
じょうや
)
様(地主)がお
出
(
いで
)
なさると、
必
(
きっ
)
と一升買って、何がなくとも香の物で一杯上げるという風でした。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「馬鹿言え。そんなことを俺が
為
(
し
)
ようものなら、今日まで俺の力に成ってくれた人は、
必
(
きっ
)
と驚いて死んで了う……」
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
肥桶
(
こやしおけ
)
を
担
(
かつ
)
いだ男も畠の向を通った。K君はその男の方をも私に指して見せて、あの桶の底には
必
(
きっ
)
と
葱
(
ねぎ
)
などの盗んだのが入っている、と笑いながら言った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「言いましたとも。もう半年も手紙を遣らないの、御恩を忘れはしないの、手紙を書く暇がないのッて、——
必
(
きっ
)
と……思出していらっしゃるんでしょう」
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
よく捨吉は田辺の小父さんの家から
旧
(
もと
)
の学窓の方へ歩いて帰ろうとして、そこまで来ると
必
(
きっ
)
と足を休めたものだ。
桜の実の熟する時
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「シモンヌの家へ来たら
必
(
きっ
)
と岡が居るだろうと思って、寄って見た——果して居た」とその画家が言って笑った。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
正太が一つ
場所
(
ところ
)
に一週間居ると、
必
(
きっ
)
ともうそこには何か持上っている——正太はお俊にまで掛った——こんなことまで豊世はお雪に話して行ったとかで。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「千村君の居る頃には、
懐郷病
(
ホームシック
)
の話なぞもよく出ましたっけ。『お前が西洋へ行ったら、
必
(
きっ
)
と懐郷病に
罹
(
かか
)
る』と言われて来たなんて、そんな話も有りました」
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
まあ、貴方のところでは、どうしてこんなに御子さん達が……
必
(
きっ
)
と御越に成る方角でも悪かったんでしょうッて、大屋さんの
祖母
(
ばあ
)
さんがそう申しますんですよ。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
始めて奉公に上りました頃は、昼は働に紛れても、枕に就くと
必
(
きっ
)
と柏木のことを思出すのが癖になって、「御母さん、御母さん」と
蒲団
(
ふとん
)
のなかで呼んでは寝ました。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
あの車の形した草が生えているような土手の雪間には、
必
(
きっ
)
と「青はこべ」も
蔓
(
は
)
いのたくっている。「青はこべ」は百姓が鶏の
雛
(
ひな
)
にくれるものだと学校の小使が言った。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
岸本が彼女に忸々しく仕向けたことは、
必
(
きっ
)
とその同じ仕向けでもって、彼女はそれを夫に
酬
(
むく
)
いた。
新生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
先刻
(
さっき
)
誘いに来た時に断りましたら、今度は鞠ちゃんの方から出掛けて行きました……
必
(
きっ
)
と
喧嘩
(
けんか
)
でもしたんでしょう……石などを放って……女中でも子守でもこの辺の女は
岩石の間
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「御祈祷して御貰い成すったら
奈何
(
いかが
)
です——
必
(
きっ
)
と方角でも悪かったんでしょうよ」
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
必
常用漢字
小4
部首:⼼
5画
“必”を含む語句
必定
必要
必竟
必然
必死
必須
必死的
忽必烈
生者必滅
甲必丹
必至
必要品
不必要
盛者必衰
必需
必要條件
必用
必須条件
必殺
必要上
...