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後夜
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ごや
ふりがな文庫
“
後夜
(
ごや
)” の例文
更
(
かう
)
闌
(
た
)
けて、天地の間にそよとも音せぬ
後夜
(
ごや
)
の靜けさ、やゝ傾きし
下弦
(
かげん
)
の月を追うて、冴え澄める大空を渡る雁の影
遙
(
はる
)
かなり。
滝口入道
(旧字旧仮名)
/
高山樗牛
(著)
本當
(
ほんたう
)
におめえ
見
(
み
)
てえなもなねえよ、
若
(
わ
)
けえ
時
(
とき
)
から
毎晩
(
まいばん
)
酩酊
(
よつぱら
)
つちや
後夜
(
ごや
)
が
鷄
(
とり
)
でも
構
(
かま
)
あねえ
馬
(
うま
)
曳
(
ひい
)
て
歸
(
けえ
)
つちや
戸
(
と
)
の
割
(
わ
)
れる
程
(
ほど
)
叩
(
たゝ
)
いて
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
此海や
涯
(
はて
)
し知られね、この荒れや測り知られね、
初夜
(
しよや
)
過ぎて、また
後夜
(
ごや
)
かけて、闇ふかく
翼
(
はね
)
ふる千鳥、この雨を、また稲妻を、ひた濡れて乱るる千鳥。
観想の時:――長歌体詩篇二十一――
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
今朝
(
けさ
)
後夜
(
ごや
)
の勤めにこちらへ参った時に、あちらの西の妻戸からりっぱな若い方が出ておいでになったのを、霧が深くて私にはよく顔が見えませんじゃったが
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
こういう女の声のしたのは享保十五年六月中旬の、
後夜
(
ごや
)
を過ごした頃であった。月が中空に輝いていたので、傍らに立っている旗本屋敷の、家根の
甍
(
いらか
)
が光って見えた。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
▼ もっと見る
力と頼みて夜道をも子故の
闇
(
やみ
)
にたどりつゝ三次が後に
引添
(
ひきそひ
)
歸らぬ旅路へ赴むくと虫が知らすか
畔傳
(
あぜづた
)
ひつたはる因果の
耳元
(
みゝもと
)
近く淺草寺の鐘の音も
無常
(
むじやう
)
を告る
後夜
(
ごや
)
の聲かねて覺悟の早乘三次
長脇差
(
ながわきざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
蛍籠
提
(
さげ
)
て聞夜や
後夜
(
ごや
)
の鐘 半残
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
月は水銀
後夜
(
ごや
)
の
喪主
(
もしゆ
)
『春と修羅』
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
御仏に
後夜
(
ごや
)
の
勤行
(
ごんぎょう
)
の
閼伽
(
あか
)
の花を供える時、下級の尼の年若なのを呼んで、この紅梅の枝を折らせると、恨みを言うように花がこぼれ、香もこの時に強く立った。
源氏物語:55 手習
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
後夜
(
ごや
)
の鐘の鳴るのが聞こえて来た。鳴り終えた後はまた一層静けさも寂しさも優さるのであった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
貂
(
てん
)
ならむ我が冷えわぶる
後夜
(
ごや
)
にして鼠ひた追ふ音駈けめぐる
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「
後夜
(
ごや
)
の鐘の鳴る頃だな。幸福な人達の
熟睡時
(
うまいどき
)
だ。……お前どうだな、
睡
(
ねむ
)
くはないかな!」
神州纐纈城
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
入道は
後夜
(
ごや
)
に起きたままでいて、鼻をすすりながら仏前の勤めをしていた。門出の日は縁起を祝って、不吉なことはだれもいっさい避けようとしているが、父も娘も忍ぶことができずに泣いていた。
源氏物語:18 松風
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
さんさんとヒマラヤ杉を洩る月の
後夜
(
ごや
)
たちにけり冬に立つ影
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
斗丈様ばかりを庵へ残し、わたしたち四人が五反麻を立って、犬神の屋敷へ向かったのは、それから間もなくのことであり、
後夜
(
ごや
)
をすこしく過ごした頃には、屋敷の前に立っていました。
犬神娘
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
さんさんとヒマラヤ杉を洩る月の
後夜
(
ごや
)
たちにけり冬に立つ影
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
後夜
(
ごや
)
の加持の時に
物怪
(
もののけ
)
が人に
憑
(
うつ
)
って来て
源氏物語:36 柏木
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
雲
迅
(
はや
)
し月に逆らふしばしばも
後夜
(
ごや
)
はあはれに裏あかりして
白南風
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
つま戸より清き男の
出
(
い
)
づるころ
後夜
(
ごや
)
の
源氏物語:39 夕霧一
(新字新仮名)
/
紫式部
(著)
諸行無常の
後夜
(
ごや
)
の鐘だ。
名人地獄
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
雲
迅
(
はや
)
し月に逆らふしばしばも
後夜
(
ごや
)
はあはれに裏あかりして
白南風
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
円
(
まど
)
かなる月の
後夜
(
ごや
)
としなりにけり孟宗の
秀
(
ほ
)
の大揺れの風
風隠集
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
後
常用漢字
小2
部首:⼻
9画
夜
常用漢字
小2
部首:⼣
8画
“後夜”で始まる語句
後夜起