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わうこ
卸して居られし
故忠右衞門
大聲にて
當所は
往古より
殺生禁斷の場所なれば
殺生する者あれば
搦捕るなりと呼はるを
それから三千
年前の
往古を
考へながら、
寐に
就くと、
不平、
煩悶、
何等の
小感情は
浮ぶなく、
我も
太古の
民なるなからんやと
疑はれる
程に、
安らけき
夢に
入るのである。
諫皷苔ふかうして
鳥おどろかずと申あへりいまもつぱら
江戸大傳馬町より
山王御祭禮に
皷の
作りもの出し祭禮の第一番に
朝鮮馬場において
上覽是あるなり
往古常憲院さま御代までは南傳馬町の
猿のへいを
扨徳太郎君は
和歌山の
城下は申すに
及ず
近在なる
山谷原野の
隔なく
駈廻りて
殺生し
高野根來等の
靈山後には
伊勢神領まであらさるゝ
故百姓共
迷惑に思ひしが
詮方なく
其儘に
捨置けり
爰に勢州
阿漕が
浦といふは
往古より
殺生禁斷の場なるを