べう)” の例文
ある日商人あきんどは、市街まち関羽くわんうべうで行はれるお祭りを見に往つた。居合はす人達は各自てんでに蝋燭を持つて、それを振りかざして何かの式をするらしかつた。
パリス おゝ、しまうた!……仁情なさけがあるならべうひらいてヂュリエットと一しょにうづめてくれい。
ふん一時いつときと、此方こつち呼吸いきをもめてますあひだ——で、あま調そろつた顏容かほだちといひ、はたしてこれ白像彩塑はくざうさいそで、ことか、仔細しさいあつて、べう本尊ほんぞんなのであらう、とおもつたのです。
人魚の祠 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この間肥つた奥さんと一しよに、画舫ぐわばうに乗つてゐた人かしら。いやいや、あの人は髪の色が、もつとずつと赤かつた。では秦淮しんわいの孔子様のべうへ、写真機を向けてゐた人かも知れない。
南京の基督 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
それもかなはぬなら、チッバルトがてゐやる薄昏うすぐらべうなか婚禮こんれいとこまうけてくだされ。
斷崖がけ清水しみづ龍女りうぢよべうあり。われは浦島うらしまか、ひめれいぞとしが、やがてんぬ。
婦人十一題 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
パリスの死骸しがいべうなかよこたへる。