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巣窟
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さうくつ
四十年
前迄
窒扶斯の
巣窟と云はれた
此地が、今では医科大学での臨床材料として毎年一二の
窒扶斯患者を
得る事すら甚だ困難な
相である。
『いろ/\
委しい
事を
承りたいが、
最早暮るゝにも
近く、
此邊は
猛獸の
巣窟ともいふ
可き
處ですから、
一先づ
我が
住家へ。』と
銃の
筒を
擡げた。
懼る
可き
野蠻人の
巣窟でゞもあればそれこそ
一大事、
早速遁出す
工夫を
廻らさねばならぬ、それを
知るには
兎も
角も
此島を
一周して
見なければならぬと
考へたので