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屏風岩
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べうぶいは
海龜は
深くも
長太息を
吐いて、その
眼前に
懸れる一
枚の
屏風岩を
引寄せました。
彼は
愛ちやんの
方を
見て、
談話をしやうとしましたが、
暫くの
間、
歔欷のために
其の
聲が
出ませんでした。
例の
屏風岩の
上から
直ちに
運轉を
試みて
見ると
最良の
結果で、
號鈴リン/\と
鳴りひゞき、
不思議なる
機關の
活溌なる
運轉に
從つて十二
個の
外車輪が、
岩を
噛み、
泥を
蹴つて
疾走する
有樣は
また
其の
岬を
大蛇灘が
巻いて、めぐつて、八
雲崎、
日暮崎、
鴨崎、
御室、
烏帽子岩、
屏風岩、
剣岩、一つ一つ、
神が
斧を
打ち、
鬼が、
鉞を
下した
如く、やがては、
巨匠、
名工の、
鑿鏨の
手の
冴に