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ゐねむ
バルタ
最前、
此水松の
蔭で
居眠ってゐますうちに、
夢うつゝに、
主人とさる
人とが
戰うて、
主人が
其人をば
殺したと
見ました。
そのかはり、すこし
手でもゆるめてやつて
御覽なさい。
居眠りの
好きな
石臼は
何時の
間にか
動かなくなつて
居ます。そして
何時までゞも
居眠りをして
居ます。
柱時計はもう十二時
回つてゐた。
婆さんは、
飯を
済ました
後と
見えて、下女部屋で御
櫃の
上に
肱を
突いて
居眠りをしてゐた。
門野は
何処へ
行つたか
影さへ見えなかつた。
幸ひ
午近くのことで
見渡す川岸に人の
往来は
杜絶えてゐる。
長吉は
出来るだけ早く
飯でも
菜でも
皆な
鵜呑みにしてしまつた。
釣師はいづれも木像のやうに黙つてゐるし、
甘酒屋の
爺は
居眠りしてゐる。
あの
土藏の
横手の
石垣の
間には、
土藏の
番をする
年とつた
蛇が
居て、
今でも
居眠りをして
居ます。
私達はみんなお
前さんのお
友達です。
私達をよく
覺えて
居て
下さいよ。
石臼ぐらゐ
唄の
好きなものは
有りません。
石臼ぐらゐ、
又、
居眠りの
好きなものも
有りません。